【アイビスSD】藤岡佑の提案で初芝の韋駄天Sを勝ったチェイスザドリーム 〝世界のヤハギ〟に新たな勲章をもたらすか
公開日:2024年7月24日 14:00 更新日:2024年7月24日 14:00
芝適性、ツメの不安解消での覚醒なら重賞突破も
現在、リーディングのトレーナー部門は32勝で矢作厩舎がトップに立っている。その〝世界のヤハギ〟は先週、札幌、小倉で話題を提供した。
まず、北の地の札幌。今年がラストクロップとなるドゥラメンテ産駒のキングスコールが、札幌芝千八を1分47秒8で勝った。ソダシが持つそれを0秒4も短縮する2歳レコードを打ち立てている。その札幌から直線距離で1369km離れた小倉では、日曜12RでモズアカボスがV。小牧太のJRAラスト騎乗に勝利を添えた。「深いブリンカーに替えたことも要因」は陣営だが、数々の世界戦、GⅠレースを制しているトップステーブルらしい2勝でもあった。
今週は、札幌で所属・古川奈のフェイスガード復帰が注目を集め、厩舎は2場で13頭をスタンバイさせている。またまた話題を提供してくれそうだ。
新潟・アイビスSDに出走するチェイスザドリームも期待の一頭。
前走が、同じ千直の韋駄天Sで走ってV。デビューから17戦をダートで走り、初芝となった一戦であっさりと勝ち切った。ダートのGⅢカペラSで連対実績はある馬だったが、抜群のスタートダッシュから外ラチ沿いに寄せ、逃げるマウンテンムスメと一騎打ち。最後に突き放して勝利したから舞台適性を示している。
「以前にカペラSなどで乗った藤岡佑介ジョッキーから〝芝の方がいい〟と提案があったんですよ。ツメの不安もあり、ダートを使っていた経緯もありましたが、脚元の不安がなくなったことも大きかったんでしょう。前走は芝でいきなり結果を出してくれました」
荒木助手はこんな舞台裏を教えてくれたが、千直で一変したといえば、思い出すのが5年前の勝ち馬ライオンボスだろう。千直3連勝で重賞ウイナーとなったが、同馬はダート路線からの転身で一気に覚醒した。こちらは気性的な難しさが真っ直ぐ、シンプルに走る直線競馬とマッチした形だったが、チェイスは持つスピードをより生かせた前走勝ち。また、別掲の追い切り速報の通り、動きもいいから、楽しみが増す重賞チャレンジだ。
矢作厩舎は開業翌年の06年、同レースにマリンフェスタ、チアズヒカリを2頭出しした。前者が②着と連対したが以降は4頭が挑戦して⑯⑫⑧⑭着。まだ勝ってはいない。ちなみに、同厩舎の芝重賞は49勝だが、距離別でみると制していないのは、この千直に三千二百~三千六百㍍戦だけ。
開業20年目の夏にトップステーブルが新たな勲章を手にするか。要注目となってくる。