【中京記念】「小倉の千八百㍍重賞が2回あることは運も良かった」 エピファニーで小倉V2を狙う杉原に聞く

公開日:2024年7月17日 14:00 更新日:2024年7月17日 14:00

美浦から半日がかりの小倉輸送を栗東滞在でカバー

 過去20年で3頭だけ。

 小倉中距離重賞を関東馬が制した頭数だ。10年愛知杯=セラフィックロンプ、17年小倉大賞典=マルターズアポジーと今年の小倉大賞典を勝ったエピファニー。88頭で3勝は、677頭48勝の関西馬に比べてもパーセンテージは低い。

 関東馬による初の小倉重賞マルチVという〝難関〟に挑むのが、中京記念のエピファニーになる。

 関東馬にとって小倉重賞が高き壁となっているのには、ひとつに長い輸送距離がある。美浦トレセンから小倉競馬場までは、高速道路で約1100km。12~3時間と半日がかりの移動。レース直前の輸送でなかったにせよ、栗東からの倍の時間は関東馬にとって大きなハンデとなる。能力差のある条件クラスならともなく、重賞では体調面をピークに持って行きにくい側面が明暗を分けてもいるか。

 まず、この輸送の問題をエピファニーはクリアした。別掲の追い切り速報でお分かりだと思うが、最終追いは栗東のCウッドコース。11日に美浦から移動し、栗東滞在で調整を進めている。今や同馬にとって、栗東は〝第2のホーム〟。昨秋からの前5走をケフェウスS、チャレンジC、中山金杯、小倉大賞典に前走の大阪杯と出走し、関西圏のレースはいずれも栗東滞在からの挑戦。そこで4戦①④①⑩着は、完全に栗東の水に馴染んでおり、関西馬と同じ土俵にいる稀な関東馬といえる。ゆえに小倉重賞2連勝も可能性が高くなってくるわけだ。

 前記を踏まえ、最終追いに騎乗した杉原に聞いた。

「大阪杯(⑩着)は不完全な乗り方をしてしまったと反省しています」(杉原)

──大阪杯は⑩着という結果でした。

杉原騎手「スタート後に挟まれ、この馬自身もゲートの中でソワソワするしぐさがある中での発馬で勢いがつかず、ペースも遅く、この馬には向かない展開になってしまいました。不完全な乗り方をしてしまったと反省しています」

──中間は1週前の美浦での追い切り、けさの栗東の最終追いで騎乗。感触は。

「暑い時季で、調教で前向き過ぎるところがあり、前回の栗東滞在も直線を向く頃にはアップアップになる面があったので、そこを考慮して。けさはゴールしてからも1F、2Fと走り抜けられるように調整しました。

──けさは半マイルで53秒2─36秒3─22秒1─10秒9とよく伸びていました。

「今週の方が背中の使い方が凄く良くなり、この馬本来の走り方ができている印象。半マイルにしたことでゴール前もゴールした後もしっかりと余力を持って走れていました。この調整なら課題はクリアできたと思います」

──小倉大賞典も栗東からの輸送で勝っています。

「暑くなるみたいですが、一度(栗東からの輸送は)経験していますし、そのパターンで結果も出ているので心配していません。この馬にとってベストな舞台。なかなか小倉の千八百㍍で重賞が(1年に)2回あることはないと思うので運もよかった。大賞典の時のように流れてくれたら理想的ですが、そうならなくとも、力を発揮できるように臨機応変に乗りたいと思っています。持っているエンジンは凄いものがあり、そこのコントロールさえうまくできれば、素晴らしい能力を発揮できる。そこを競馬で生かせたら。頑張ります」

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