ヤナガワ牧場が生んだ「芝王」と「砂王」の関係者を直撃

公開日:2017年12月23日 17:00 更新日:2017年12月23日 17:00

「6つのGⅠ勝利はどれもうれしかったですが、一番は菊花賞です。一瞬ダメかなと思ったところを馬群から抜け出てきてくれただけに、喜びが大きかった。でも、その菊花賞当時でも馬体は成長途上という感じでした。ブラックがすごいのは、少しずつハードになっていった調教が確実に身になること。僕から見て本当によくなったと思うのは、古馬になってからです」

 1周1800メートルの栗東Cウッドコースを2周半するハードな調教は、今ではブラックの代名詞。それが日常化したのが、菊花賞前だった。

「GⅠ6勝馬は、そう簡単に巡り合えるものではありません。キタサンブラックとの出合いはとても貴重で、素直にうれしい。そんな経験が得られたのは、北島オーナーと清水調教師が掲げた、じっくり育てる方針があればこそ。いろいろな巡り合わせを感じます。今回も調子がよさそうなので勝ってほしいですが、とにかく無事に、です」

 デビュー前に故障した母がよもや予後不良になっていれば、ブラックは生まれてもいなかった。さらに、北島氏や清水調教師との巡り合わせがなければ……。キタサンブラックは数々の奇跡が生んだ結晶だ。

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