ヤナガワ牧場が生んだ「芝王」と「砂王」の関係者を直撃

公開日:2017年12月23日 17:00 更新日:2017年12月23日 17:00

 故障でデビューがかなわなかった母に対し、ブラックは脚元に注意しながら順調に育成が続けられた。その割には、デビューが明け3歳と遅い。

「実は、なかなか買い手がつかなかったのです。ウチの牧場とほかの馬主さんと共同名義で走らせる計画が進んでいたのですが、そこから北島三郎さんへの売却が決まったのです」

 そんな経緯から育成方針が固まったという。

■育成は同世代の最終グループ

「清水久詞調教師も、北島オーナーも、馬の成長に合わせて育成しようという方針で、じっくり調教を重ねたことが馬に負担をかけることなく成長を促したのだと思います」

 育成場では、ダートコースで丹念に調教を重ねられ、当時新設したばかりの坂路でも鍛えられた。同世代の中では、最後のグループで育成が行われて、2歳秋に栗東に旅立ったそうだ。

 そこから押せ押せのローテで皐月賞③着と結果を残すも、ダービーは⑭着と惨敗。そこでリフレッシュしたのがよかった。当時馬主歴53年のオーナーに菊花賞でGⅠの勲章をプレゼントした。

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