香港国際競馬に日本馬が7頭出走 マイルのソウルラッシュはチャンスあり!?
公開日:2025年12月11日 14:00 更新日:2025年12月11日 14:43
今週日曜は4鞍の海外馬券発売がある香港国際競走。8頭の日本馬が遠征したが、残念ながら香港カップのロードデルレイは回避となり、出走するのは7頭となった。
これは3頭だった(香港ヴァーズ=アスカクリチャン⑦着、香港スプリント=ロードカナロア①着、香港カップ=トウケイヘイロー②着)13年以降では最少の頭数だ。
今年は少数精鋭となったが、香港で何回、日の丸は揚がるのか――。
シャティン競馬場の4R(日本時間で午後3時10分発走予定)に組まれている芝二千四百メートルの香港ヴァーズに参戦するのは昨年の菊花賞馬アーバンシック。以降は⑥③⑭⑤着という成績だが、前走の天皇賞・秋は宝塚記念以来の休み明けで0秒2差。主戦・ルメールに戻ることもあり、チャンスは大か。
5R(午後3時50分発走予定)は芝千二の香港スプリント。ここは高松宮記念馬サトノレーヴ、スプリンターズS馬ウインカーネリアンと日本のスプリントチャンプ2騎が参戦する。
ただし、ここで目の上のタンコブになるのが現地の、いや今では世界の短距離王と言ってもいいカーインライジングの存在だ。
目下15連勝中で、通算成績が〈16 2 0 0〉。この秋シーズンは9月7日に一般のハンデ戦を61キロで制し、10月18日にはオーストラリアのジ・エベレストにも勝利。そして海外遠征の疲れも見せず、帰国して11月23日に香港スプリントの前哨戦であるGⅡジョッキークラブスプリントを楽勝。付け入るスキを与えない。
7R(午後5時00分発走予定)の香港マイルはソウルラッシュとエンブロイダリーの2頭。
ソウルラッシュは3年連続の参戦で、前2年は④②着。今年はドバイターフでロマンチックウォリアーを破るなど、海外遠征でもパフォーマンスが落ちないのがいい。また、ドバイターフを制した時の鞍上であるC・デムーロの連続騎乗も魅力ありだ。
エンブロイダリーは今年の桜花賞、秋華賞の2冠馬。ただ、3歳牝馬による海外GⅠ勝ちは05年のアメリカンオークスを制したシーザリオが最後である。20年ぶりの快挙となるか。
8R(午後5時40分発走予定)の香港カップはベラジオオペラ、ローシャムパークの2頭。
ベラジオオペラは宝塚記念②着以来の休み明けで、今回が初の海外遠征となる。
暑さに弱い面があり、天皇賞・秋には調整が間に合わずここへ。今の季節でも最高気温が25度くらいの現地での調整がうまくいけば、大阪杯連覇の実績から、チャンスは十分だろう。
ローシャムパークは4度目の海外遠征。23年の香港カップ⑧着、昨年のBCターフ②着、今年の豪州・クイーンエリザベスS⑥着だ。
前走のアルゼンチン共和国杯は0秒4差⑫着。一昨年は3勝クラス勝ちから函館記念、オールカマーと3連勝。その頃の輝きを取り戻したいところだが……。
現地馬のレベルが向上、日本馬も簡単には勝てない
今年、香港では4月にタスティエーラがクイーンエリザベスⅡ世Cを制覇した。しかし、冬の国際競走ではどうか。実はウインマリリンが22年の香港ヴァーズを制したのが最後で、23年は4競走に13頭が遠征して②着1回、③着2回。昨年は9頭で②着2回、③着3回と馬券の対象にはなるものの、勝利は遠くなっている。
この理由は単純で、香港馬のレベルが以前よりも格段に上がっているからだ。
かつては短距離王国と言われ、強いのはスプリント、マイルで、二千メートル以上のカップ、ヴァーズでは目立った成績を挙げていなかった。
だが、現在はどうか。
スプリントには絶対王者のカーインライジングがいるし、二千メートルのカップはロマンチックウォリアーが22年から3連覇。今年も4連覇を狙って出走してくる。
なら、「ヴァーズのアーバンシックに期待」と言いたいところだが、ここは欧州勢が強力。
今年は凱旋門賞③着馬ソジー、昨年の香港ヴァーズを制したジアヴェロット、ジャパンCを回避してこちらに目標を切り替えたA・オブライエン厩舎のロスアンゼルス、JCを勝ったカランダガンと同じグラファール厩舎のゴリアットと多彩な顔触れだ。
もともと欧州馬が最も得意とする二千四百メートル。かつては4競走のうち日本馬が3勝したこともあったが、今では簡単には勝たせてくれない。果たして今年は……。




























