半馬身差のダービーから7年 キズナ、エピファネイアの終わりなき戦い

公開日:2020年4月16日 17:00 更新日:2020年4月16日 17:00

 先週の桜花賞を制したのはデアリングタクト。父はエピファネイアで、昨年デビューの新種牡馬によるGⅠ勝ち馬第1号となった。

 実はエピファネイアにとって、これが産駒の重賞初勝利。一方で、同じく新種牡馬のキズナは重賞を4勝している。

 エピファネイアとキズナは競走馬としても同期だ。どちらも12年10月に京都でデビュー、新馬勝ちを果たしている。

 初対決は暮れのラジオNIKKEI杯2歳S。この2頭で人気を分け合った。勝ったのはエピファネイアで、キズナは③着に終わった。

 2度目の対決は翌年の弥生賞。ただし、この時は共倒れに。エピファネイア④着、キズナは⑤着で、勝ったのはカミノタサハラである。

 そして3度目がダービー。いったんエピファネイアが先頭に立ったが、キズナが鮮やかに差し切り。武豊による「ボクは帰ってきました」という名言も生まれた。

 最後の戦いは4歳時の大阪杯。キズナが勝ち、エピファネイア③着。対戦成績は2勝2敗だ。

 結局、エピファネイアは菊花賞、ジャパンCに勝利。GⅠ2勝馬となった。

 一方、キズナのGⅠ勝ちはダービーだけ。しかし、3歳秋に凱旋門賞を目指して渡仏。本番は④着だったが、前哨戦のニエル賞で同年の英ダービー馬ルーラーオブザワールドに鼻差勝ち。2頭の戦績は甲乙つけがたい。

GⅠタイトルはエピファが先に

 では、種牡馬としてはどうか。

 ここまでキズナは62勝で、エピファネイアは44勝。勝ち鞍だけでなく、前記のように重賞タイトルの数でもキズナがリードしている。

 だが、GⅠタイトルはエピファネイアが先に。キズナとしても負けてはいられない。

 皐月賞にエピファネイア産駒は不在。キズナは3頭出しだ。

 キメラヴェリテ、クリスタルブラック、ディープボンド。中でもクリスタルブラックは新馬→GⅢ京成杯と連勝で本番へ。新種牡馬の産駒による無傷の3連勝となれば、桜花賞のデアリングタクトと同じパターンである。

 東京二千四百メートルの大舞台で火花を散らした同期の2頭。当時はキズナに軍配が上がったが、種牡馬としての戦いはまだ始まったばかりだ。

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