【弥生賞ディープインパクト記念】ファウストラーゼン強烈マクリ勝ち

公開日:2025年3月10日 14:00 更新日:2025年3月10日 14:00

実力を証明して本番でも楽しみな存在に

 重賞勝ち馬が不在だった今年の弥生賞ディープインパクト記念。皐月賞だけでなく、ダービーにもつながる王道中の王道のトライアルに重賞ウイナー不在だったのは1996年以来、実に29年ぶりのことだった。

 その中でGⅠ③着がフロックではないことを証明したのがファウストラーゼン。1冠目と同じコースで③①着と結果を出し、胸を張って本番に駒を進めることになる。

 マイルの新馬戦は⑩着で、2戦目の未勝利戦は距離を二千に延長。一変した走りを見せた。

 そして3戦目がホープフルSでブリンカーを着用。序盤は16番手に位置していたが、残り1000メートルで鞍上がGOサインを出すと一気に進出。わずか1Fの間に先頭に躍り出て、③着に粘り込んだ。当時、1000~800メートルのラップは12秒0だった。

 そして迎えた今回。ファンも半信半疑だったことが単勝16・9倍の7番人気だったことにうかがい知れる。

 陣営はゲート練習を重ねたことで、「発馬次第で、出れば前の方で競馬をする」(西村師)だったようだが、今回も出は決して良くなく、よれる感じになり、ホームストレッチでは後ろから3頭目。それが前走と同様、早めに動く競馬、つまり「Bプラン」になったというわけ。

 だが、災い転じて……ではないが、結果としてこの馬のスタイルを確立させたか。

 今回は残り1000メートルより少し前から発進。800メートル手前で、早くも逃げたヴィンセンシオをかわして先頭に立ち、今度は最後まで粘り込んだ。動いたところのラップは「11秒5」。馬場を考えるとかなりキツい競馬をしている。

 父はマイラーのモズアスコットで、母もマイラーだが、この粘り強さと長く脚を使う点は祖父フランケル譲りか。

 稍重とあって、上がりが37秒2の消耗戦。昨年は上がりこそ35秒1だったが、同じように早めスパートのコスモキュランダが勝利し、本番・皐月賞でも②着に頑張った。

“マクリ”という競輪のようなスタイルで、世代の頂点に立つクロワデュノールをどこまで苦しめるか。そして東京のダービーではどう乗るのか。強い個性派の誕生は非常に興味をそそられる。

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間