【オークス】3年前、樫の舞台から始まった競馬ファンの〝世界一のマナー〟

公開日:2026年5月21日 12:00 更新日:2026年5月21日 12:00

浸透した「ゲートが開くまではお静かに願います」

 スタンド前発走──。今週のオークス、来週の日本ダービーと東京GⅠは府中1マイル半が舞台となる。

 今や競馬ファンには耳馴染みとなったレース前のあのアナウンスが始まったのは、3年前のオークスであった。

「。ゲートが開いたら精いっぱいの応援をお願い致します」

 ファンファーレ後に実況アナウンサーからのこの呼びかけだ。

 これはリバティアイランドの2冠がかかるオークスの共同会見で、川田が最後にファンへメッセージを残したことに端を発した。

「ひとつ、競馬場に来場されるお客さんにお願いがあります。(オークスは)3歳牝馬の繊細な女の子たちが皆様の目の前でゲート入りしてスタートするので、陸上競技のスタートと同じようにゲートが切られるまで、あと少し、2秒ほど声援を我慢していただき、ゲートが開いてから全力で盛り上がっていただければ、と願っています。そこの協力をしていただけると、とても助かるなという思いです」

 静寂が守られ、第84回オークスは全18頭が奇麗にスタートを決めている。

 古い話で恐縮だが、96年の第1回秋華賞ではカメラのフラッシュに驚いたエアグルーヴがイレ込み、以降、「フラッシュ撮影禁止」の立て看板が出るようになったのは有名な話だ。これに似て、繊細なサラブレッドは外的要因が自身の能力にマイナスに働くことが多々ある。もちろん、各陣営、何事にも動じない馬づくりに励んでいるが、やはりGⅠ独特の場内の雰囲気に反応するのはあり得ること。

 偶然なのか、デアリングタクト、コントレイルと牡牝で無敗の3冠馬が同時に生まれたは20年はコロナ禍ど真ん中の無観客時代だった。もちろん、ファンあっての競馬だから常識を超えない範囲の喧騒ありきなのだが、ゲート入りから発走までの静けさは人馬の安全面を考えてもいいのだろう。

「馬の性格をよく分かってくれているし、本当にありがたいこと」(四位調教師)

 今年のオークスにソルパッサーレで挑む四位師は、「スタート前に静かにしてくれる日本の競馬ファンは凄いと思いますよ。馬の性格をよく分かってくれているし、本当にありがたいこと」と感謝する。実際に、騎手時代には今では考えられない観客数の中、ダンスパートナーやウオッカらを名牝の座に押し上げたから余計に思うのかもしれない。

 日本の競馬ファンは海外のホースマンからも素晴らしいと言われる。今週のオークス、来週の日本ダービーと「ゲートが開くまでお静かに」の2秒間の静寂に〝世界一のマナー〟がまた見られる。

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