先週はゴンちゃんこと、ゴンサルベス騎手とマピュースで挑んだヴィクトリアマイルが行われました。
結果から言うと16頭立て14番人気の⑨着。人気以上には前に来れたので悪い成績ではなかったと思います。
ここに臨むにあたって、ゴンちゃんは相当、燃えていました。燃え過ぎてしまったが故に1週前追い切りは予定より大幅に速くなってしまいましたが、その後のリカバリーは僕のほうでしっかりと調整できたと自負を持っての出走でした。
レースはというと好スタートを決めてスッと先行集団につけ、最終コーナーを迎えるときには「掲示板はいける!」と思えるほどのスムーズな競馬でした。最後は人気馬たちが上位をほぼ占めてのゴール。それでも、負けたとはいえ、久し振りにスカッとした晴れやかな気分でレースを終えることができました。
僕は普段の調教に乗る専門職。いざ本番は騎手に全てを託すしかありません。その中で着順の良し悪しに関係なく「納得できる騎乗」をしてもらえるのは……、う~む、10回に1回あればいい方でしょうか。そのあたりは、もしかしたら皆さんのように馬券で競馬に参加している方と同じ感覚かも知れません。
もちろん、競馬はナマモノ。相手あってのレースだし、ゲートが開くまでどういう展開になるかだなんて、想像の域でしかありませんが、それを加味してもなかなか「納得のレース」で終えることは決して多くはありません。
しかし今回のゴンちゃんによるマピュースのエスコートは100点満点以上の騎乗でした。
今まではスタートが速くはなく、いいポジションを取るのが難しかった馬です。〝スタートが遅い分、ある程度、ポジションを取りに行くために前半で動かしていくと逆に引っ掛かる。それを避けるために、結果的に理想より後ろ目の位置になってしまう〟というのが、マピュースの定番でした。
ところが、何とすんなり好スタートを切ったと思ったら、そのまま楽に好位をキープ!
もうこの序盤だけでご飯3杯はイケちゃいます。結果的には最後は力尽きたというより、ツワモノたちに地力を見せつけれた感じの⑨着ではありましたが、引き揚げてきたゴンちゃんには心の底から「オブリガード!」「ありがとう!」という言葉が真っ先に出ていました。
アルゼンチンを主戦場としている騎手なので、知名度はヨーロッパやアメリカの騎手ほど無いとはいえ、さすがは年間勝利数世界歴代3位の541勝を叩き出したゴンちゃん。驚くほど、ケタ違いのテクニシャンです。
今回の短期免許で既に5勝と、すっかり日本の競馬ファンにも顔と名前を売ったと思いますが、ここまで新潟の第3場で乗っていたため、この日が初めての東京競馬場。それもあって、当日は朝から興奮気味だったそう。そしてヴィクトリアМのパドック、そして返し馬で体感したお客さんの数にテンションは最高潮に。発走前のファンファーレの手拍子を聞いた時は夢の世界で競馬に乗っているような感覚すら覚えたとのこと。すっかり日本競馬の虜になったようです。
実はレース前に僕とこんな約束事をかわしていました。
「もしヴィクトリアマイルで勝ったら翌週の調教を休んでもいいよ」と。残念ながらレースが終わり、別れ際の会話は「負けたので火曜日の朝6時の調教で待ってるね」です(笑)
GⅠの約束としてはあまりにも小さな約束ではありましたが、こんな感じで日々、僕たちとも馴染んで和気あいあいとコミュニケーションを取っています。
今回はマピュースのGⅠ出走というより〝ゴンサルベス騎手の日本での初GⅠ物語〟といったところでしょうか。それを演出してくれた立役者のマピュースも、ここまでずっと休まず走ってきたのでこれで夏休みに。秋にはひと回り成長した姿を見せてくれると思います。
そしてまだまだ日本での騎乗が続くゴンちゃん。今週末も競馬場で大暴れしてくれるでしょう。引き続き彼の騎乗に大注目してくださいね。





























