日曜東京では3歳マイル王決定戦のNHKマイルCが行われた。勝ったのはサートゥルナーリア産駒のロデオドライブ。同産駒は昨年の朝日杯FSを制したカヴァレリッツォに続き、これがGⅠ2勝目となった。
サートゥルナーリアは短距離王ロードカナロアの直子ながら、二千二百㍍の重賞で2勝のショウヘイも出しており、産駒はやや中距離寄りの印象が強かった。それだけに高速決着のマイルGⅠで2勝した点は興味深い。カナロア譲りの確かなスピード能力を受け継いでいるのだろう。
今回のNHKマイルCは前半から速いラップが続き、単なる瞬発力勝負ではなく、高速ラップを最後まで維持できる持続力が問われる一戦となった。上位馬を見ると、いずれもスピードに加えてタフさを兼ね備えた血統構成だった点が興味深い。
ロデオドライブは父系に加え、母の父が豪州のスプリント血統のスニッツェル。母ビバリーヒルズも6F戦で2勝を挙げており、母系も非常にスピード色が強い。さらにサーゲイロードの6×8、セクレタリアトの6×5の半兄弟クロスに、インリアリティの6×6×6も内包。スピード能力を強化やすい血が多く入っていることが、レースレコードに0秒1差の1分31秒5という高速決着に対応できた要因だろう。祖母の父にノーザンテーストを持つ配合から成長力見込め、今後も高速決着のマイル戦で要注目の1頭となりそうだ。
②着はアスクイキゴミでロードカナロア産駒。母の父はベイティッドブレスでスニッツェルと同じデインヒル系だ。こちらは欧州馬だが、5F芝重賞の勝ち馬とやはり短距離路線で活躍した。直接セクレタリアトとサーゲイロードのクロスは持たないものの、ベイティッドブレスがサーゲイロードを内包しており、半兄弟クロスとなっていて、勝ち馬とは血統構成が似ている。前半からペースが流れたことで、2頭とも外枠からロスなく後ろで脚をためられたことも好走につながった。
③着のアドマイヤクワッズは皐月賞⑮着からの巻き返し。もともとマイルでデビューから2連勝していたように、やはり現状は短めの距離が合うのだろう。血統を見ると、こちらも母の父がデインヒル系のゾファニーで欧州の短距離路線で活躍した血。父はリアルスティールで①②着馬と違いキングマンボの血は持たないものの、ストームキャットの血を持つ点が共通している。
ちなみに上位3頭はサドラーズウェルズの血を内包している点も同じ。NHKマイルCではメジャーエンブレムやレシステンシアなど、ダイワメジャー産駒でサドラーズウェルズの血を持つ馬が活躍した過去がある。今回もスピードだけなく東京の長い直線を最後まで踏ん張るスタミナと持続力が重要になったということだ。
④着ローベルクランツも父サトノダイヤモンドの母の父がオーペンでダンチヒ(デインヒルの父)系のスプリンター。ローベルクランツ自身の母の父がキングカメハメハだから、前記3頭と血統構成的には近いものがある。ただ、ストームキャットの血を持たない分、上位と比べて高速マイルへの対応力でわずかに差が出た印象だ。母系は晩成傾向のあるブルーメンブラットの一族でもあり、秋以降はさらに良くなっていい。
◎ダイヤモンドノットは⑤着。レース前からイレ込んだことに加え、レースでも好位から流れに乗る形。ただ、前半から速いラップが続く厳しい展開となり、先行勢には楽ではない競馬だった。実際、①~③着馬はいずれも後方待機組。そうした中で大きく崩れず⑤着に踏みとどまった点はむしろ地力を感じさせる内容だった。ストームキャットとフレンチデピュティを併せ持つ非常にスピード豊富な配合なのだが、この流れをしのぎ切るだけのタフさが少し足りなかった。
穴血統ラブリーデイ産駒は左回りで狙え
土曜日の2重賞を振り返る前に先週の競馬で気になった血統傾向に触れておきたい。
先週は人気薄の好走が目立ち、10番人気以下の馬が2勝②着7回③着6回。その中で複数回馬券圏に突っ込んできたのがラブリーデイ産駒だった。土曜京都6Rで11番人気のグディンナが③着、日曜東京5Rでは16頭中最下位人気のスターシップが②着に激走している。
もともとラブリーデイ産駒は10番人気以下で8勝②着8回③着14回。産駒通算90勝のうちの1割近い勝利が2ケタ人気の穴血統なのだ。このうち東京で2勝3回③着1回、新潟で3勝②着2回③着2回だから、左回りでの激走率が高いことが分かる。この2場での開催が続く残り2週も人気薄ラブリーデイ産駒に注目してみても面白いだろう。
緩い流れで瞬発力が生きたエプソムC 京都新聞杯はコントレイル産駒がV
土曜2重賞も軽くまとめる。東京のエプソムCは勝ち時計が千八1分45秒3。同日に行われた3歳1勝クラスが1分45秒4だから重賞としては平凡な時計。千㍍通過59秒6も1勝級の59秒0よりも遅い。そのためラスト3Fは11秒4―11秒0―11秒2と、極端な上がり特化の瞬発力勝負となった。
勝ったトロヴァトーレはソニンクから連なる名牝系。母の半姉にディアドラ、近親にはソングラインと瞬発力型が並ぶ血統だ。同馬も前走の東京新聞杯を上がり33秒1で差し切っており、スローのヨーイドンはベスト。重賞連勝と力を付けてきているのは間違いないが、ペースが速くなった時に同様の脚が使えるは課題として残る。
一昨年の桜花賞馬ステレンボッシュが②着。上がり33秒1の脚が使えたことは収穫だが、こちらもペースに恵まれた感があるのは確かだ。父エピファネイアで母の父ルーラーシップ。サドラーズウェルズやトニービンと晩成型の血を多く内包しており、この好走を機に復活する可能性がないとは言えない。次戦も同様の走りができるかに注目したい。
京都の京都新聞杯は2戦2勝のコントレイル産駒コンジェスタが勝利。先日の青葉賞に続き産駒は重賞2勝目。今回も二千二百㍍だったように、同産駒は成長がゆっくりな中距離型がメイン。ここから産駒がどのような成績を残していくのか、秋以降はさらに存在感を増してきそうだ。
1番人気のべレシートは②着。いつもより早めの競馬で勝ちに行ったが勝ち馬の強襲に遭い惜しくも②着。内、外離れていたこともあるのだろうが、押し切って欲しかったのが本音。ただ、母クロノジェネシスは3歳秋以降に本格化したように、まだ幼い面が抜け切っていない印象。真価を発揮するのは古馬になってからかもしれない。



























