【チャンピオンズC】4歳秋に一気に頂点へ 牝馬ダブルハートボンドの来シーズンは!?

公開日:2025年12月8日 14:00 更新日:2025年12月8日 14:00

意外に難しいレースチョイス

 中京で行われたダート頂上決戦のGⅠチャンピオンズCを制したのは、坂井鞍上のダブルハートボンドだった。

 初のビッグタイトルは決して楽ではなかった。

 2番枠スタートも1番枠ウィリアムバローズが先手を主張。さらに外からはルメールのシックスペンス。前半は内、外に挟まれてプレッシャーのかかる形になるシーンもあったからだ。

 それでも坂井がうまく誘導し、3番手で折り合って直線は定番通りの押し切り態勢になったが、今度はインからチャンピオンズC2年連続②着のウィルソンテソーロが接近。ラスト2Fは12秒3―12秒1の加速ラップとなる中、先々週のジャパンCのような火花の散るたたき合いとなった。

 それでも最後は牝馬らしからぬ勝負根性で、追う強みのあった相手に真っ向勝負で、鼻差だけ出ていたところがフィニッシュラインだった。

 これでJRAダートは負け知らずの7戦7勝。すべて千八だ。それも驚異のJRAレコード勝ちのみやこSから中3週、牝馬としては10年ぶりの勝利で、さらにGⅠ初挑戦だったのだから、もう牝馬のカテゴリーに収まる馬ではない。

 そうなると気になるのは今後のレースチョイスか。シルクレーシングのクラブ馬で、6歳春までには繁殖入りが規定路線となる。

 実質、5歳の来年がラストシーズンとなるが、JRAのダートGⅠは他には2月のフェブラリーSだけ。舞台もこれまでに走ったことがないマイルになってしまう。

 交流レースに目を向ければ川崎記念や、かしわ記念などのビッグレースがあっても、こちらも二千超かマイルに。交流GⅠ以外に牝馬重賞も数はあるが、今回のGⅠ勝ちで重い斤量が課せられてしまう。

 牡馬トップクラスに挑むサウジCやドバイワールドCともなると、今度はデビューからすべて手綱を取っていた坂井がフォーエバーヤングの主戦であることがネックに。

 こうして考えていくと、“次”のチョイスは難しくなりそう。ただ、それもこれもGⅠウイナーになったからこそのうれしい悩みかもしれない。

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