【エルムS】ペイシャエス 陣営が生かした昨年⑧着の経験

公開日:2024年8月5日 14:00 更新日:2024年8月5日 14:00

1キロのビハインドがありながらGⅠ馬ドゥラエレーデを差し切る

 札幌で行われたエルムSは5番人気のペイシャエスが勝利。2番人気で③着だった前走・マーチSから巻き返しでの重賞制覇となった。

 内容的にも完勝と言っていいものだった。道中は好位の4、5番手を追走。直線で2番手を追走していた1番人気ドゥラエレーデが抜け出したが、その直後をぴったりマーク。外から馬体を併せてきっちりと差し切った。

 着差は首でも、相手は芝のGⅠ勝ちがある。そんな実績馬相手に1キロ重い58キロを背負って差し切ったのだから強い。

 思えば、ペイシャエスは22年のユニコーンSでリメイクやセキフウを破って重賞初制覇。同年の名古屋グランプリでは古馬を負かして交流重賞Vも決めており、実力は十分にあったということ。

 ただし、レース後に横山和が「体調に左右される面が大きいので」と話したように、なかなか実力発揮とはいかないのがネックだった。

 実際、昨年のエルムSにも出走して⑧着。当時は北海道への輸送で20キロ近く減ってしまい、マイナス6キロで出走。馬体を戻し切れなかった経緯がある。

 今年も前走のマーチSでは「背腰にまだ緩さが残る状態」と陣営。そこからいかに立て直すかが最大のポイントに。

 前走後はここ一本に絞っての調整。昨年はレース1週前の週末に札幌入りしたが、今年は1週前の水曜と早めの入厩。輸送での馬体減も10キロほどにとどまったため、本番では前走から増減なしでの出走。横山和も「具合が本当に良く、自信を持ってレースに臨めた」と話した。

 加えて、この馬に味方したのが札幌の気候。先週日曜の札幌は最高でも23度ぐらい。昨年と比べて1週間通しても肌寒いくらいの日が続き、暑さに弱いこの馬には調整しやすい日が続いたこともプラスとなったか。

 ともあれ、体調さえ整えば重賞級の力があることをあらためて示した。暑さが和らぐ秋以降のさらなる活躍が期待できそうだ。

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