ドバイ、サウジに続いてカタールにも国際競走が ますます進む国内重賞の空洞化
公開日:2024年2月1日 14:00 更新日:2024年2月1日 14:00
ここにきて日本の競馬界は中東の話題が非常に多くなっている。
昨年、イクイノックスが圧勝したドバイシーマクラシック(3月30日)はリバティアイランド、スターズオンアースの牝馬2頭のほかに、ダービー馬シャフリヤールも参戦の予定。海外勢も昨年の英愛ダービー馬でディープインパクト産駒のオーギュストロダンが、今年の始動戦とするもようで、非常にハイレベルなメンバーとなりそうだ。
また、①着賞金1000万米ドル(約14億7000万円)のサウジCは2月24日に行われる。こちらはまるで“日本のダート王決定戦”。千八とあって、ウシュバテソーロとレモンポップの初対決に加え、昨秋のBCクラシックで②着したデルマソトガケが対戦するだけでなく、そのBCクラシックの勝ち馬ホワイトアバリオも日本馬に立ちはだかろうとしているから面白い。
サウジCデーは他にもネオムターフC、1351ターフスプリント、レッドシーターフH、サウジダービー、リヤドダートスプリントと国際競走が計6鞍も。また、ドバイワールドCデーはゴドルフィンマイル、ドバイゴールドC、アルクオーツスプリント、UAEダービー、ドバイゴールデンシャヒーン、ドバイターフ、ドバイシーマクラシックとこちらは8鞍。昨年はサウジ、ドバイともに日本馬が3勝したのは記憶に新しい。
2月のサウジ、3月のドバイはもはや日本馬が大挙して遠征するのが当たり前のようになっているが、ここに新たに加わりそうなのがカタールである。
こちらは国内唯一のアルライヤン競馬場で、2月17日に「アミール・スウォード・フェスティバル」として施行される国際競走4鞍。
GⅠアミール・トロフィーは4歳以上の芝二千四百メートル戦。①着賞金は142万5000米ドルだから、日本円で2億1000万円近く。ノースブリッジ、ゼッフィーロ、サトノグランツが出走を予定している。
GⅡアイリッシュ・サラブレッド・マーケティングカップは北半球産4歳以上、南半球産3歳以上の芝千六。同じく芝千六のGⅡアルライヤン・マイルは3歳限定戦(南半球産は出走不可)。他にも芝千二のGⅢがあり、番組を充実させようとしている。
これまでカタールに遠征した日本馬は19年のアイリッシュ・サラブレッド・マーケティングC=ユウチェンジ(⑨着)のみだが、今年は一気に増加。春の中東は96年のドバイWC創設に始まり、20年からサウジにも遠征するようになった。これにカタールも加われば、ますます日本の競馬に影響を及ぼす可能性大だ。このままでは国内重賞の空洞化はますます進むかもしれない。