【有馬記念】イクイノックス不在なら、充実の同期ジャスティンパレスにも勝機あり

公開日:2023年12月20日 14:00 更新日:2023年12月20日 14:00

4歳①①③②着「こちらが思った以上の成長。なかなか、こんな馬はいませんよ」(杉山晴師)

 今年、崩れずに好走を続けた一頭なら、ジャスティンパレスもそうだろう。

 2歳時は暮れのGⅠホープフルSで②着して将来を嘱望されたが、昨年のクラシックシーズンは皐月賞、日本ダービーで⑨着に菊花賞③着。夏を越した成長はみせたものの、ビッグタイトルには届かなかった。

「こちらが思っている以上に成長を続けてくれる。なかなか、こんな馬はいませんよ」

 管理する杉山晴師が驚くのが、今年の4歳シーズン。戦績の通りだ。

 初戦の阪神大賞典は、好位抜け出しで後続を完封すると、迎えた6度目のGⅠ天皇賞・春で2馬身半差V。勢いのまま、リニューアル京都の初GⅠ馬に輝いた。

 春グランプリの宝塚記念はハードな競馬。前半千㍍が58秒9と流れて、後半4Fも47秒4の展開。イクイノックスにひと飲みされたとはいえ、終始、馬群の外、4角では7頭分もの外を周りながらも最後まで伸び続けて③着し、スタミナを示している。

「距離が延びるのは間違いなくいい」(杉山晴師)

「あの競馬で差し込んでくるタイプとは思ってもいなかった。正直、驚きましたし、思った以上に力をつけているのを感じました」

 こうトレーナーが離すのは、舞台が府中に替わった天皇賞・秋。直線入り口では11番手の最後方から33秒7の脚を使って②着と連対している。イメージを一新させる競馬でもあった。

「時計は速かったですが、直線だけの競馬で割と疲れは少なかった。放牧先へと見に行き、〝自信を持って次(有馬記念)に使えるな〟と思いましたね。距離が延びるのは間違いなくいいですから」

 けさの追い切りの動きは別掲の通り。軽さ、力強さと兼ねる最終追いでもあった。

 85年シンボリルボルフ、89年イナリワン、96年サクラローレル、00年テイエムオペラオー、06年ディープインパクトに17年キタサンブラック。数々の春の天皇賞馬が同年の暮れグランプリを勝ってきた。完封された同期イクイノックスは、ここにはいない。充実の締め括り。ジャスティンパレスが2つ目のビッグタイトルを手にしても不思議ではない。

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