【チャンピオンズC】堂々の逃げ切りで距離不安説を一蹴 春秋GⅠを制したレモンポップ最優秀ダート馬に選ばれるか
公開日:2023年12月4日 14:00 更新日:2023年12月4日 14:00
大きな大きな勝利となった。日曜に中京で行われたGⅠチャンピオンズCは1番人気レモンポップが見事な逃走劇を決めた。
不利と言われる大外枠発走から果敢に主導権を握ると、そのまま後続に馬体を併せられることなくゴールイン。前半3Fからは12秒9―12秒4―12秒1―12秒4―12秒6と微妙な緩急をつけたラップで後続に脚を使わせて、直線は12秒1―12秒6で一気に突き放す、完璧な走りだった。
逃げ切り勝ちはこのレースが中京開催となって10年目で初めて。自身は初の千八でも満点回答で距離不安を一蹴。2月のフェブラリーSに続く、史上4頭目となる年間JRAダートGⅠ2勝となった。
戦前はJRA賞最優秀ダートホースはどれになるか、近年ではまれに見るほどの意見が分かれていた。
レモンポップの対抗馬は日本馬初となるドバイワールドCを制したウシュバテソーロ。さらにはサウジCを勝ったパンサラッサ、今回勝てば地方交流を含む年間3勝のメイショウハリオや6戦無敗となるセラフィックコールなどを推す声もあった。だが、レモンポップ自らが高いハードルを乗り越えてそのタイトルを手繰り寄せたのだから、ほぼ確定的だろう。
「勝てば種牡馬としての価値が上がるので」とこの挑戦について話していた田中博師。そのもくろみ通りの走りをさせるのだから、馬のみならず、厩舎力のたまものでもある。
これで14戦10勝②着3回。唯一の着外もドバイ遠征の⑩着で初の千二でもあったから、ほぼパーフェクトな戦歴だ。
短距離向きのスピードと、そのスピードを保てる持続力。また、5歳秋で完成の域に入った成長力。距離を延ばしても対応できる気性や競馬センスなど、傑出している部分が多い。
父系を遡れば2代前は日本でも大成功しているキングマンボ。その可能性は限りなく広がる。来年の動向も含めて、新王者の今後から目が離せない。