【オークス】カムニャック、30年を経て花開いた長距離の血
公開日:2025年5月26日 14:00 更新日:2025年5月30日 11:00
フローラSからの連勝は15年ぶり
3歳牝馬2冠目のオークスを制したのは4番人気のカムニャック。別掲の通り、鞍上のシュタルケはJRAのGⅠ初制覇で、友道師にとっても牝馬クラシックは初勝利となった。
桜花賞で①~③着のエンブロイダリー、アルマヴェローチェ、リンクスティップがいずれも単勝3倍台で、4番人気のこの馬は14・3倍。完全な“3強”のムードの中、フローラSからの連勝を飾ったのは、やはり血統からスタミナがモノをいったか。
父はキタサンブラックを出したことで名を上げたブラックタイドで、母ダンスアミーガからダンスオールナイト↓ダンスパートナーとさかのぼる母系。そう、ダンスパートナーは95年のオークス馬であり、そのきょうだいには94年のステイヤーズS、95年のダイヤモンドSを連勝したエアダブリン、96年の菊花賞馬ダンスインザダークが。また、エアダブリン、ダンスインザダークともにダービー②着だから、東京二千四百メートルはドンピシャの配合だ。まさにそれがダンスパートナーから30年の時を経て花開いたといったところか。
実際、カムニャックは勝った2戦が新馬、フローラSと二千メートルで、負けた2回は千六。距離が延びたこの舞台で、一気に世代の頂点に立った。
ちなみに、フローラSからの連勝は10年にアパパネと同着で勝利を分け合ったサンテミリオン以来。その前となると87年マックスビューティだ。
近年では異例のローテだが、桜花賞①②着馬はダイワメジャーの血を引いていたことを思えば、カムニャックの勝利は血統の後押しが招いた逆転劇だったのではないか。