福島最終週はロベルト系が狙い目、初勝利コントレイル産駒はアベレージヒッタータイプ!?
公開日:2025年7月15日 07:00 更新日:2025年7月15日 07:00
七夕賞の勝ち時計は良馬場で2分0秒5。同じく良馬場だった前3年は1分57秒8、1分59秒8、1分57秒9。全て2分を切っていたことを思えば、今年は時計が掛かったなの印象。開催2週目から3週目と1週遅くなったことが影響したか。
勝ち馬コスモフリーゲンがロベルト系のスクリーンヒーロー産駒。④着に同産駒のシルトホルンが入線したことをみても馬場が荒れてパワー寄りになってきているということのなのだろう。
このレース以外でも先週の福島芝は日曜9R織姫賞(千八芝)でスクリーンヒーロー産駒のミラーダカリエンテが8番人気でV。同産駒はJRA全10場の芝で勝率・105(先週終了時点)と最も高いのが福島なのだが、今の馬場がマッチしているとみていい。
ちなみに、この福島開催でロベルト系はSS系に次ぐ13勝と好成績を残している。今週は開催最終週。馬場の荒れが進むようなら、スクリーンヒーロー産駒はもちろんロベルト系を積極的に狙っていくのも面白そうだ。
②着は1番人気のドゥラドーレスでドゥラメンテ産駒。土曜発行のコラムにも記したように、もともとこのレースと相性がいいのがキングマンボ系。ドゥラドーレスは母の父がハービンジャーだから小回り二千が合う配合だ。
今回はスタートで後手を踏むことなく中団からレースを進めたが、勝ち馬にうまく逃げられた。加えて、ハンデ戦で1・5㌔の斤量差があった。頭差届かなかったのはその分だろう。負けはしたものの内容的には強い競馬。晩成型らしく確実に力をつけてきている。半妹にレガレイラを持つ血統背景からもそろそろ重賞Vがあってもいいと思っている。
③着オニャンコポンも父がエイシンフラッシュでキングマンボ系。母の父ヴィクトワールピサだから小回り適性の高い配合だ。実際、福島二千では22年の福島記念で④着と好走例があった。とはいえ、当時の走破時計が2分0秒8。今回が2分1秒1だから時計のかかる展開になったことに加え、ハンデ戦で斤量差があったことが好走の要因。色々と条件がマッチした印象が強く、次走も引き続き走れるかとなると疑問符がつく。
⑤着ドラゴンヘッドも父ラブリーデイでキングマンボ系。今年は勝ち馬こそ出なかったもののやはりキングマンボ系が上位。来年はもちろん、この傾向はしばらく続くとみていいだろう。
ここからかは先週の新馬戦を振り返る。注目は姉にGⅠ馬を持つマルガとチェルヴァーラの2頭。マルガが1・1倍、チェルヴァーラが1・5倍とともに圧倒的な人気に推されたが明暗分かれる結果に。
明はマルガ。積極的にハナに立つとマイペースの逃げに持ち込み後続には3馬身差。勝ち時計の1分48秒1はレコードだ。半姉ソダシと同じ日、同じ舞台で新馬Vを決めた。
全兄カルパ、エスタアは目立つほどの活躍はできていないが、半姉2頭はともにGⅠ馬。この母系は牝馬に出た方がいいのだろう。その点でマルガも非常に期待は大きい。今回は千八芝での勝利だったが、全兄カルパは7Fダートで未勝利勝ち。姉のソダシ同様最終的にはマイラータイプになりそうだ。
③着に敗れたのはチェルヴァーラ。出遅れ気味のスタートから徐々にポジションを上げて道中は3番手の内を追走。直線で外に出したが結局、前にいた2頭は捕まえきれなかった。ま、半姉で2冠牝馬のチェルヴィニアも初戦は②着と負けているといえば負けているんですけどね。
ただ、不満なのは直線モタモタとして思ったほど決め手を見せれなかったところ。モーリス産駒の半兄ノッキングポイントやハービンジャー産駒の姉が東京とはいえ上がり33秒台をマークしたほど。母系はいい瞬発力がある上、父エピファネイアの産駒もロベルト系でも決め手のあるタイプ。小回り小倉が合わなかったのかもしれないが、スローのヨーイドンならもう少し切れるとこが見たかったのだが。直線の長いコース替われば切れるのか、それとも意外と瞬発力がないタイプなのか。次戦、勝ち負けはもちろんレース内容にも注目したい。
最後は日曜福島5Rを勝ち上がったルージュボヤージュを。新種牡馬のコントレイル産駒は出走10頭目にしてうれしい初勝利となった。ただし、勝てなかったもののここまでの9頭も③着までに4頭、掲示板を外したのは1頭だけという堅実駆け。オルフェ―ヴルのような三振かホームランかの一発型ではなく、コンスタントに活躍馬を出すロードカナロアのようなアベレージヒッタータイプの種牡馬なのだろう。
コントレイル産駒でいえばまだノーザンファーム生産馬が出走してないのもポイント。父は2歳GⅠ馬だったが、産駒は早い時期から走るタイプではないのかもしれない。夏競馬より秋になってからが本番となりそうだ。