【有馬記念】タイトルホルダー栗田徹師にロングインタビュー
公開日:2022年12月20日 14:00 更新日:2022年12月20日 14:13
今年の有馬記念は超豪華メンバーが集まった。その中で主役を担うであろうタイトルホルダー。春秋グランプリ制覇がかかる上に、ファン投票1位、そしてさらに海外帰りと話題が尽きない。
もちろん、国内での実績は他馬を一歩リード。春の天皇賞で7馬身差をつける圧勝劇を演じると、宝塚記念もレコード勝ち。結果次第では年度代表馬も視野に入ってくる。
暮れの大一番を前に、管理する栗田徹師に聞いた。
ーー放牧先から11月16日に帰厩して立ち上げていきました。
「海外から帰ってきていろいろ確認したいところが多かったので、早めに美浦へ。思った通りの感じだったし、あまり誤差はなかったですね」
ーーダメージはなかったですか。
「牧場では気持ちが高ぶってたけど、やれることはやってこちらにバトンが回ってきて。2週前はウッドで長めから追って予定通り。毛ヅヤが良くなって体も少しずつ絞れてきました」
ーー1週前は併せ馬で5F66秒9-37秒6、1F11秒5。
「和生(横山和騎手)に感触を掴んでもらいました。前に馬を置いて折り合いやフォームの確認。それから体の歪みがないかどうか。道中はかなりいい感じだったし、ラストもしっかり動けてたのでは」
ーー評価は。
「こっちに戻ってきた時が普段のテンションとは違ったので、なだめるような調整を10日くらい続けて。それもあり、本当にスムーズな追い切りができましたね。ジョッキーは“折り合いも良かったし、弾んでた”と。この追い切りで文句は言えないでしょう。息遣いもいいし、気持ちと体が整ってきた」
ーー馬体重は。
「この時点で482キロ。470キロ半ば、あるいは後半あたりで出走できると思います」
ーー海外遠征を経て何か変わりましたか。
「フランスでは小林さんのところ(小林智厩舎)でお世話になってたこともあり、周りともうまくやれました。それでも、精神的にどっしりしてきた感じですね」
ーーファン投票で1位になりました。
「これだけ応援していただいてるし、そういう馬になったと責任を感じてます。投票数が多いことで昨年とは見られ方も変わってくる。ただ、やることは同じですよ。調整も一連のパターンを掴めてきたので、注意しながら調整していくだけ」
ーー相手関係についてはどのように。
「やっぱり有馬記念ですから。今年は3歳で天皇賞(秋)を勝った馬もいるし、エフフォーリアも立て直してきてるはず。いいメンバーが揃った中でタイトルホルダーらしい走りができるように、ここまでやってきたつもりです」
ーーあらためて中山二千五百メートルは。
「いい舞台なのでは。距離も長めだし、合ってると思います」
ーーやはりスタイルは変えない。
「スタートや二の脚が速いし、位置を取った上で折り合いもつく。自分でレースをつくれるところが本当に強みなのでは。おそらく他馬が目標にしてくるでしょう。厩舎ができるのはパフォーマンスを発揮できるようにすること。送り出した後は和生と馬の関係性に任せます」