【有馬記念】史上初のオールスター戦 世代限定戦を除いた今年の二千メートル以上のGⅠ馬が勢ぞろい

公開日:2022年12月19日 14:00 更新日:2022年12月19日 14:00

好結果なのは天皇賞・春、宝塚記念馬

 いよいよ2022年の“総決算”有馬記念まで1週間を切った。今年はとにかくメンバーが豪華で、現役最強馬を決めるにふさわしい馬たちが集結。果たして、今年のグランプリを勝つのはどの馬か。きょうから土曜発行まで、連日、有馬記念を徹底解剖していく。

 今年はGⅠ馬が7頭出走する。

 中でも大阪杯=ポタジェ、天皇賞・春、宝塚記念=タイトルホルダー、天皇賞・秋=イクイノックス、エリザベス女王杯=ジェラルディーナ、ジャパンC=ヴェラアズールと、今年の「3、4歳以上の芝二千メートル以上のGⅠ勝ち馬」がすべてエントリー。これは史上初のことで、まさに古馬のオールスター戦である。

 古くはJC勝ちが外国馬だったり、近年は回避したり……。エ女王杯の勝ち馬もここにはいないことの方が断然多い。JC創設の1981年からさかのぼっても、その年の古馬GⅠ勝ち馬(前記の通り、対象は二千以上)が勢ぞろいしたことは一度もなかった(81年当時は春秋の天皇賞、宝塚記念、JCの4鞍のみ)。

好結果なのは天皇賞・春、宝塚記念馬

 さて、大阪杯は2017年からGⅠに昇格。その年の勝ち馬キタサンブラックは、同年の有馬記念でラストランVを飾った。ただし、それ以降は20年のラッキーライラックの④着が最高だ。

 では、天皇賞・春の勝ち馬はどうか。

 古くは85年にシンボリルドルフ、89年イナリワンが両レースを制覇。88年タマモクロス、91年メジロマックイーンは有馬で②着だった。

 96年サクラローレルも両レースを勝利。98年メジロブライト、99年スペシャルウィークは有馬②着。00年テイエムオペラオーはこの年、7戦無敗で迎えた有馬も制している。

 06年にはディープインパクトがラストランV。16、17年を連覇したキタサンブラックは有馬で②①着。20年フィエールマンは③着とかなり馬券になっている印象が強い。

 では、ともに“グランプリ”と称される宝塚記念馬はどうか。

 前記したイナリワン、92年メジロパーマー、99年グラスワンダー、00年テイエムオペラオー、06年ディープインパクト、09年ドリームジャーニーが両グランプリを制覇。12年オルフェーヴルは翌年の有馬記念馬だ。

 19年リスグラシュー、20年クロノジェネシスは牝馬によるダブルグランプリVを達成。クロノは昨年のラストランでも③着に好走している。

 ②着だったのは97年マーベラスサンデー、04年タップダンスシチー。

勝利に最も近いところにいる馬は?

 続いて天皇賞・秋の勝ち馬を見ていこう。

 88年タマモクロス、89年スーパークリークは②着。97年エアグルーヴは③着、99年スペシャルウィークは②着とこの頃は間にJCを挟むのが当たり前だったため、なかなか勝ち切れなかった。それをやってのけたのがテイエムオペラオーだ。前記の通り、年間無敗。史上初めて天皇賞・秋→JC→有馬記念の秋の古馬王道3冠を達成した。

 02、03年のシンボリクリスエスはその3冠でともに①③①着。天皇賞・秋と有馬連覇を達成している。

 テイエムに次ぐ3冠達成が04年のゼンノロブロイ。以降はしばらく両レース制覇は途絶えたが、17年にキタサンブラックが成し遂げ、21年はエフフォーリアが。この馬は初めてとなる天皇賞・秋①着からの直行での有馬記念制覇だった。

 エリザベス女王杯馬はさすがに有馬記念との関連性は薄い。

 ウオッカ、ジェンティルドンナなどのような超一流は牡馬と対戦する天皇賞・秋やJCへ。07年にはダイワスカーレットが②着し、翌年の有馬記念勝ち。18年リスグラシューが両グランプリ制覇をしたのは翌年のこと。同じ年で、というのはまだ例がない。

 最後にJC。ここからの直行がもちろん、最も多いパターンだが、両レース制覇は前記のテイエムオペラオー、ゼンノロブロイ、そしてディープインパクトの3頭だけ。中3週と間隔が詰まっていることもあり、意外にハードルが高いのかも。

 こうやって、それぞれのGⅠを振り返ると、天皇賞・春、宝塚記念馬の好走が目立つ。となれば、今年はタイトルホルダーが勝利に最も近いところにいるのか。

 それとも強い3歳の代表イクイノックスか。ダービー馬ドウデュース、菊花賞馬アスクビクターモアを欠く3歳世代。しかし、古馬相手にタイトルをもぎ取ったこの馬がいれば十分戦える。もちろん、立て直してきた昨年の勝ち馬エフフォーリアの復活があるかもしれないし、昨年の②着馬ディープボンド、上がり馬ブレークアップだって侮れない。

 今年は25日のクリスマス決戦。古馬オールスター戦を制し、年度代表馬の座にグッと近づくのはどの馬かーー。

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間