【有馬記念】ジャパンC馬ヴェラアズールは買い!? 消し!?

公開日:2022年12月20日 14:00 更新日:2022年12月20日 15:57

買い!? 前6走の末脚はいずれも最速

 今年最大の上がり馬はヴェラアズール。もちろん、ここも人気の一角だ。勢いはまだまだ続くのか、それとも--。

 ヴェラアズールは一気に頂点へ駆け上がった。

 体質面が弱く、3歳春のデビューからダートを使われ、未勝利、1勝クラスを勝ち上がり。2勝クラスはなかなか結果を残せなかった。それが、年を重ねて体質が強化され、5歳の今春からは芝の長距離に矛先を向けたのが転機となった。淡路特別①着、サンシャインS③着、緑風S③着、ジューンS①着とオープン入り。夏場は一息入れて、初重賞挑戦の京都大賞典もぶっこ抜きだ。

 勢いに乗り、大舞台のジャパンCへ。レースはそれまで同様にしまい勝負にかける形。中団を追走して直線を向いた。

 手応えは十分。ただし、前が壁になり、追いづらくなるシーンが。それでも外→内へと進路を切り替えながら鋭い伸びを見せた。シャフリヤールに4分の3馬身差で差し切ったから驚く。

 渡辺師は「ダートでスタートしたのに、まさかジャパンCを勝てるとは思わなかったです。ジョッキーもうまく乗ってくれましたね。やはり、たまった時の脚は凄い」と話す。

 レース後はノーザンファームしがらきに放牧へ出され、12月9日に帰厩。先週水曜は松山が手綱を取り、Cウッド6F83秒1-37秒5、1F11秒8で駆け抜けた。

「使っている馬なので、1週前はそこまで負荷をかけずに。鞍上が感触を確かめる程度でやりました。“いいです”と言ってましたよ」

 芝の6戦で繰り出した上がり3Fはいずれもメンバー最速。相手強化も何のその、切れ味がどんどんと増している。超強力メンバーのここでも異次元の末脚を繰り出したい。

消し!? 2つのデータが立ちはだかる

 ヴェラアズールは“データの壁”を乗り越えなければならない。

 まずはジャパンC→有馬記念の連勝。

 過去30年間でジャパンCの勝ち馬は13頭、グランプリに出走した。このうち、締めくくりに成功したのは00年テイエムオペラオー、04年ゼンノロブロイ、06年ディープインパクトの3頭。全成績は〈3217〉だ。

 詳しく調べると、人気が興味深い。前記の3頭はいずれも1番人気に推されていた。1番人気になったのは4頭だけで、92年のトウカイテイオーこそ⑪着だが、それ以外は結果を残している。

 2番人気は6頭いて、99年スペシャルウィーク、16年キタサンブラックが②着で、あとは⑤⑧⑦⑤着。3番人気は2頭で17年シュヴァルグランの③着が最良。5番人気は1頭で⑫着だった。

 好走するためにはファンの支持を集めることが条件となる。

 次は前走Vからの乗り替わり。

 前走①着で、有馬記念では他の騎手に乗り替わったケースは30回ある。昨年は菊花賞勝ちの4番人気タイトルホルダーが横山武→横山和で⑤着、一昨年はエリザベス女王杯勝ちの4番人気ラッキーライラックがルメール→福永で④着と掲示板までだった。

 他にも14年はジャパンC勝ちの2番人気エピファネイアがスミヨン→川田で⑤着、15年は菊花賞勝ちの4番人気キタサンブラックが北村宏→横山典で③着、92年はジャパンC勝ちの1番人気トウカイテイオーが岡部→田原で⑪着。人気馬でもなかなか先頭ゴールに至らない。

 今回、ムーアから手綱を渡される松山は京都大賞典をテン乗りで制している。これを強みとしたいところ。どのような結末になるだろうか。

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