【ワールドオールスタージョッキーズ】JRA7人に地方1人、外国人招待騎手6人の対抗戦

公開日:2025年8月21日 14:00 更新日:2025年8月21日 14:00

 今週は札幌で「ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が行われる。

 舞台が札幌に移ったのが15年。コロナ禍で20、21年は開催されなかったが、22年に再開され、夏の札幌では9回目となる。

 出場騎手は14人で、JRAからは7人。今年のダービージョッキーの北村友、昨年のMVJを受賞した戸崎に、勝利度数上位のルメール、坂井、横山武。そして選考委員会で選出された大ベテランの武豊、横山典だ。

 そして地方競馬の代表は船橋所属の本田正が初出場。

 そして外国招待騎手は現在、短期免許で騎乗中のアレクシ・バデル(香港)、フランシスコ・ゴンサルベス(アルゼンチン)、トール・ハマーハンセン(ドイツ)、カリス・ティータン(香港)、クリスティアン・トーレス(アメリカ)、クレイグ・ウィリアムズ(オーストラリア)の6人。

 この中で日本での騎乗経験が豊富なのがティータンとウィリアムズだ。

 ティータンは短期免許取得の経験があるし、このWASJにも19、24年と2回出場。ともに1勝を挙げている。

 ウィリアムズはかつて何度も短期免許を取得。GⅠだけでも、10年天皇賞・春=ジャガーメイル、11年NHKマイルC=グランプリボス、同年朝日杯フューチュリティS=アルフレードと3勝している。ただし、WASJは15、16、22年と3回出場しているが、1勝も挙げられていない。

 他は初来日。

 ゴンサルベスはブラジル出身で現在はアルゼンチンをベースに騎乗。18年から24年まで7年連続でリーディングトップという腕達者だ。現在、35歳。

 ハマーハンセンは昨年の独ダービーを制覇。同時にリーディングも獲得した伸び盛りの25歳。

 トーレスも28歳と若いが、騎手になったのは19年。見習騎手としてガルフストリームパーク競馬場で成功し、24年5月には初めてのGⅠ制覇も。昨年の北米リーディングで12位(獲得賞金順)である。

③着内率・581 武豊はランクに関係なく買い

 15年以降の9回において(冒頭にあるように20、21年は開催なし)、唯一、毎回出場しているのが武豊だ。

 通算勝利数こそ5勝のモレイラに譲るものの、シリーズ通算31戦(競走除外が1回)で、〈4 10 4 13〉、連対率・452で、③着内率・581という凄さである。

 ご存じの通り、WASJの騎乗馬は抽選で決まり、しかも、A~Dランクの馬が必ず1頭ずつ割り振られる。

 つまり、Aランクで上位のポイントを稼ぐことはもちろん、Dランクでも上位を狙う姿勢がこの②着10回という成績に表れている。

 ちなみに、武豊のWASJにおける人気ごとの成績は1番人気〈0300〉、2番人気は〈0111〉、3番人気が〈0100〉。つまり、3番人気以内なら7回乗って1度しか馬券圏外になっていない。

 4~6番人気でも〈3313〉だから、とにかく武豊に関しては人気、騎乗馬のランクに関係なく押さえておくべき。

 15年からの3年間は②着が7回ありながら勝ち鞍はゼロだったが、ここ3年連続でシリーズ1勝をマークしており、順に6、5、9番人気である。

 コースを熟知しているだけでなく、騎乗馬や相手関係も地の利は大。これにレジェンドの豊富な経験が加われば、他の追随を許さないことも当然かもしれない。

ジョッキーは関東勢不振だが、馬は東高西低

 あと、シリーズの大きな特徴として美浦所属の騎手の成績が芳しくないことが挙げられる。

 過去に83戦で〈1 4 7 71〉。あの戸崎が〈1 1 2 24〉、北海道開催といえば横山武だが、シリーズでは過去〈0 0 1 7〉である。

 ただし、ルメールやモレイラ(今年は不在)を除き、外国人ジョッキーの成績も振るわない。WASJは一応、JRAジョッキーVS地方・外国騎手のチーム戦でもあるが、これまですべてJRA勢が勝利している。

 だが、これが馬になると話が逆転する。長年いわれている西高東低は、ことWASJでは真逆だ。

 関東馬が通算20勝で、関西馬は12勝。中でもルメールは関東馬で〈4 1 0 11〉だが、関西馬では〈0 0 2 10〉とイマイチの成績である。

 これらの傾向を頭に入れて、土日のWASJ4鞍を楽しみたい。

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