亀井記者の血統ロックオン

今後も母の父ダイワメジャーがトレンド!? スターアニスが母の雪辱を果たす

公開日:2025年12月16日 07:00 更新日:2025年12月16日 07:00

 日曜に阪神で行われた阪神ジュベナイルFは2番人気のスターアニスが2歳女王の座を手にした。

 スターアニスの母はエピセアローム。6F重賞3勝とスプリント路線で活躍した馬だ。阪神JFには11年に出走して2番人気で⑧着に敗れている。スターアニスも同じ2番人気。母の雪辱を果たす結果となった。

 血統面をみると母の父がダイワメジャー。前走はレコード決着だった7F戦で首差の②着だから、スピード勝負に強いタイプ。それだけに今回のマイルへの距離延長に不安もあったが、父はストームキャット系ながら長距離馬も出すドレフォン。産駒の芝の重賞勝ちは全てマイル以上だから字ヅラ以上に距離に融通性があるのだろう。

 加えて、前半4Fが45秒3で5Fが57秒3とレースが流れたこともスピード勝負に強いこの馬に向いたのだろう。それにしてもダイワメジャーの血を持つ馬はこのレースと相性がいい。もともと前10年で産駒は最多の3勝。そして昨年、今年の勝ち馬が母の父ダイワメジャーだ。メジャー自身は23年で種牡馬を引退しており産駒は少なくなるが、来年以降も母の父ダイワメジャーには要注意。

 ②着はギャラボーグ。ここまでデビュー2戦は千八で②①着。今回が初のマイルだったが、距離短縮は問題なし。逆に今回の速い流れに対応できたことを考えてもベストはマイルではないか。血統を見ても母レキシールーは北米で8~9Fの重賞を3勝、全兄には22年のNHKマイルC勝ち馬のダノンスコーピオンがいる。兄は3歳秋に富士S③着があるが、その後は伸び悩んでいる印象。妹も仕上がり早のマイラーのイメージだから、来春もマイル路線で活躍が見込めそう。

 ③着は新種牡馬インディチャンプ産駒のタイセイボーグ。今回は外枠が厳しいかと思っていたが、中団からしっかり伸びて馬券圏は確保。これでデビュー戦から5戦して一度も③着を外しておらず、大崩れの少ないタイプか。デビュー前から産駒の評判が良かったインディチャンプだが、この馬の走りが父のポテンシャルの高さを証明している。父はステイゴールド系で6歳まで活躍。成長力もありそうなタイプだけに、産駒が来年以降どのように変わってくるのか非常に興味深い。

 1番人気のアランカールは⑤着。ここまで2連勝中だったとはいえ、2戦ともにスロー。今回はハイペースで戸惑ったのか、前半は思った以上に後ろに位置取りに。道中でポジションを上げたが、そこで速い脚を使っている分、ラストは伸び切れなかった。キャリアの浅い2歳戦ではよくあるように、連勝中で人気を背負っても速いペースでの追走経験がなく、本番でペースが上がって力を出し切れなかったパターンだ。血統的にも母はオークス馬のシンハライト。母の父がサドラーズウェルズ系のシングスピールで、父エピファネイアなら本質的には中距離寄り。本当に狙えるのは母同様にオークスではないか。

短距離ダート界の新星テーオーエルビスの父は6Fダートの鬼

 日曜に中山で行われたカペラSはテーオーエルビスが4連勝で重賞初制覇だ。父は外国産馬であまり馴染みのないヴォラタイルなのでここで紹介しておきたい。

 父は米国で6戦5勝②着1回。全てダートの6F戦を使ったスプリンターだ。アルフレッドGヴァンダービルトHでGⅠを制したあと故障が判明し引退→種牡馬入りしている。父はサドラーズウェルズ系なのだが、メダグリアドーロ→ヴァイオレンスと米国で発展してた血筋で、父の産駒には米国では8・5FのGⅢ勝ち馬のスピードキングなどを出している砂の短距離種牡馬だ。ちなみに、テーオーと同じ現3歳が初年度産駒となる。

 テーオーは6Fダートは5戦5勝、重賞初挑戦の今回は②着に5馬身差だから父譲りのいいスピードを持っている。加えて、母も米国で10戦9勝と母系の質がいいのも魅力。正直、距離が延びるとどうかの不安はあるが、(母に千八での勝ち鞍があるため、マイルくらいまでならこなせる可能性もある)短距離ダート路線の中心馬になりうる新星誕生といっていい。

中日新聞杯で好相性のトニービンとディープ系

 土曜に中京で行われた中日新聞杯はシェイクユアハートが重賞初制覇。これまで善戦続きでなかなか勝ち切れなかったが、今年はこれで2勝目。ハーツクライ産駒の5歳馬がようやく目覚めてきたといったところか。

 血統的なポイントはもうひとつ、ハーツがトニービンの血を持っている点か。実は昨年のこのレースの①~③着馬がトニービン持ち。中京の長い直線でその持続力が生きている。特に②③着馬は母の父ハーツとハーツ産駒だからレースとの相性がいい。

 自身の予想はというと同じくこのレースで好相性のディープインパクト系を中心に打った。◎のファミリータイムは⑦着と振るわなかったが、②着がディープインパクト産駒のレッドバリエンテで③着がキズナ産駒のジューンテイクだから、やはりこのレースでは無視はできない。今後もトニービン持ちとディープ系の馬を中心に考えていけばいいレースだ。

亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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