【菊花賞】自身は菊、春の盾に不出走だが 種牡馬レイデオロはステイヤー傾向

公開日:2025年10月23日 14:00 更新日:2025年10月23日 14:00

 菊花賞は芝三千㍍。いわゆる〝淀の長丁場〟が舞台だ。

 今の日本に三千㍍超級のレースを得意とする種牡馬は存在しないと言っていい。国内で生産される馬の大半にサンデーサイレンス、もしくはキングカメハメハの血が入っており、それらはやはりステイヤー血統とは言えないからだ。

 実際、菊花賞の登録馬だけを見ても、両方の血を全く引いていない馬は一頭もいない。

 しかし、そんな中でも長距離戦が得意な種牡馬は存在する。レイデオロがそう。

 自身は17年のダービーと18年の天皇賞・秋を制してGⅠを2勝しているキングカメハメハ産駒。だが、3歳時は菊花賞には出走せず、翌年以降も天皇賞・春などの三千㍍超のレースには一度も出ていない。

 その母ラドラーダは千四1勝、千六で3勝のマイラー。そしてラドラーダの母、つまりレイデオロの祖母はレディブロンド。千二5勝のスプリンターである。

 これらからはほぼ長距離適性は感じられないのだが……。

今年、二千五百㍍以上の重賞2勝

 今年、芝二千五百㍍以上のレースでの成績を調べるとこうなった。二千四百㍍を含めていないのは、東京、京都、阪神など、いずれもスローからの瞬発力勝負になりやすいからだ。

         ① ② ③ 外
1 レイデオロ  7 6 0 11
2 キズナ    7 5 3 26
3 ルーラーシップ5 5 0 13
4 ハーツクライ 4 1 0 14
5 ゴールドシップ3 3 7 50

 注目すべきは連対率の高さ。ルーラーシップは・435とかなり高いが、レイデオロは・542とはるかにその上をいく。

 重賞でもサンライズアースが阪神大賞典を勝利し、着外ではあるが春の天皇賞でも④着に好走している。

 また、アドマイヤテラは目黒記念勝ち。こちらは昨年の菊花賞③着馬でもある。

 まだGⅠでの連対こそないものの、レイデオロは種牡馬としては相当に長距離適性が高いとみていいのではないだろうか。

 今年の菊花賞ではエキサイトバイオ、マイユニバースの2頭がエントリー。注目すべきである。

エキサイトバイオ フィエールマンと同じ臨戦過程

 エキサイトバイオはラジオNIKKEI賞勝ちからのブッツケで挑む。

 千八から一気の距離延長になるが、18年にはフィエールマンがラジオNIKKEI賞②着から本番を制した。

 フィエールマンはその前走も含めて、すべてが芝千八。一方、エキサイトバイオはその前6戦はすべて二千㍍である。

 母アニメイトバイオは10年のローズS馬。姉のビッククインバイオは芝千四で3勝し、クイックバイオは23年の2歳オープン・ききょうS勝ちとこちらも千四だが、父がレイデオロのこの馬は全く違うタイプに出たか。

 前走で賞金を上積みできたので、無理せずここ一本に。「動きにパワフルさが増した」とは今野師だ。

マイユニバース デルタブルースのように秋にブレークか

 そしてもう一頭のレイデオロ産駒がマイユニバース。こちらは九十九里特別で横山典が変幻自在の逃げを見せて、②着に1秒2差の圧勝をした。

 その横山典がヤマニンブークリエに騎乗するため、今回は武豊にスイッチ。

 前走のような逃げが打てれば、今回も当然、怖い存在になる。

 何といっても鞍上は逃げの名手。宝塚記念=メイショウタバル①着、スプリンターズS=ジューンブレア②着、秋華賞=エリカエクスプレス②着と、GⅠで逃げて3戦連続連対中。正確な体内時計は今でも他の追随を許さない。

 九十九里特別から菊花賞といえば04年にデルタブルースが両レースを連勝。ダービーの1週前に2勝目を挙げた遅咲きだったが、秋には一気に花が開いた。

 レイデオロ産駒の2世代目はGⅠに手が届くのか。要注目の2頭である。

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