【菊花賞】ライトトラックで17回目の騎乗、和田竜二は菊の大輪に手が届くか
公開日:2025年10月22日 14:00 更新日:2025年10月22日 14:00
「レースを失敗した」99年のテイエムオペラオー
牡馬クラシックの最終戦。菊花賞は今年で86回目を迎える。
1938年から施行(当時は京都農林省典四歳呼馬)され、10年後に菊花賞と改称。84年にグレード制が導入されてGⅠとなった。
ジョッキーに目を向けると最も騎乗しているのは名手・武豊でさすがの34戦。88年のスーパークリークに始まり、3冠馬ディープインパクトと計5勝を挙げている。続くのは、25戦で福永。20戦で横山典、池添に18戦が岩田康で17戦の河内、藤田。蛯名正、四位、幸、和田竜が16戦となる。
この中の現役でタイトルに手が届いていないのは、幸に和田竜となるが、前者は骨折療養中。そこで和田竜に過去を振り返えってもらいつつ、ライトトラックで挑む今年の意気込みを聞いた。
菊での初騎乗は、デビュー2年目の97年。テイエムトップダンだった。気性的に難しく、掛かり気味の逃げとなり⑦着だった。2度目の挑戦は2年後のテイエムオペラオー。皐月賞馬で挑んでいる。結果は首差の②着で先に抜けたナリタトップロードを捉え切れなかった。「勝負事の難しさはあった。アヤもあった。でも、レースを失敗した」と悔やむ一戦となった。
そこから、「折り合いの難しさがあった。いい時期に乗せてもらった」07年アルナスラインは首差②着。6番人気で連対し、翌年のナムラクレセントは4角2番手の正攻法の競馬から9番人気で③着。馬券に貢献した。12回目の騎乗となった17年のポポカテペトルは台風直後の泥んこ馬場で13番人気③着。「馬場がしぶり、消耗戦になって良かった」と〝追う和田竜〟の真骨頂を発揮し、引き出した一戦でもあった。20年にはディープボンドで④着。コントレイルが勝った年だが、こちらも単勝51・6倍の7番人気ながら③着と首差の競馬をしている。
振り返ると16戦で勝ち馬から1秒以内だったことは10度もあるから、勝ち鞍こそないものの相性が悪いレースではない。
「菊花賞に出したいと思っていた馬」ライトトラック
17回目の今年、キタサンブラック産駒ライトトラックはどうか。デビュー2連勝から前走が初重賞挑戦の神戸新聞杯で⑤着に食い込んだ。
「キャリアが浅い馬ですが、馬混みもこなせた。瞬発力勝負でも脚を使えた(上がり33秒0)いい競馬。体にも成長を感じましたね」
トライアルの感触は決して悪くない。中間は1週前追い切りに騎乗し、6F81秒1、36秒9─11秒5と目いっぱいに追ってきた。
「上積みはありますよ。折り合いを考えなくていい馬なので三千㍍の距離もこなせそうです。実際に、京都外回りで2勝と上手に長く脚も使えた。菊花賞に出したいと思っていた馬だし、素質はありますよ。僕が出し切るだけ」
日曜決戦に向けて、こう語った。
オペラオーから早や26年。48歳となったベテランが菊の大輪に手を届かせるか。間違いなく全力で追う姿が見られるに違いない。