【秋華賞】明暗を分けたGⅠ馬2頭 エンブロイダリー成長の跡あきらかに2冠達成
公開日:2025年10月20日 14:00 更新日:2025年10月20日 14:00
まさかの惨敗⑯着カムニャック
牝馬3冠の最終戦、秋華賞を制したのはエンブロイダリー。春の桜花賞に続き、2冠達成となった。一方、1番人気に支持されたオークス馬カムニャックは⑯着と大敗に終わった。
まさに明暗がはっきりと分かれてしまった。
暗はカムニャックだ。パドックはそれほど変化がないように思えたが、ゲートイン直前はチャカつくように。奇数番の先入れでゲート内でも頭を上下に激しく振るしぐさが見られて、扉が開く直前には立ち上がる格好も。スタートは出たが、1角進入までに前進気勢の強さを見せるシーンがあった。
「立ち上がったりはしていても、極端にイレ込んでいたわけじゃなかったけど……」
そう振り返ったのは友道師。それでもレース前のテンション、そして道中と想像以上に体力の消耗があったのかも。最後までカムニャックらしさを見ることはできなかった。ともあれ、デビュー以来初めての2ケタ着順。大敗ショックを引きずらなければいいのだが……。
オークス馬と対照的だったのがエンブロイダリーだ。
こちらは春には前進気勢が目立っていたが、ひと夏越した成長なのだろう。道中は促すほどで、ルメールとのコンタクトも申し分なし。
「ペースが遅くなったから上がって行った」と鞍上の指示通りにコントロールが利いて早め進出。3角あたりではカムニャックをパスして2番手に押し上げると、あとはトップギアに入れるだけ。最後は粘るエリカエクスプレスに半馬身差をつけて2冠達成となった。
「いい夏を過ごせて、筋肉、トモにボリュームが出て体高も伸びました」
管理する森一師が話すように、精神面だけでなく馬体もパンプアップ。二千メートルという距離にもメドを立てられた。選択肢を広げて、今後は古馬相手の大舞台でも期待が高まる勝利だった。