レコードを更新した。函館芝ではなく、日本の最高気温だ。先月30日に兵庫県柏原で41・2度とか。この火曜は栗東でも調教スタンドの温度計が39度を表示したとも聞いた。年々、上がる気温に空調設備を付ける厩舎が増えてきたが、これはオプション。調教師自らの投資となる。よく見るウオーキングマシンも同じで、JRAは厩舎の土地、1棟を貸す形だからだ。そろそろ空調が標準装備となる時代がくるか。
【新潟7R・アイビスサマーダッシュ】 夏は牝馬――。この見出しをよく見るが、実際には暑すぎていい馬はいない。筋肉量、代謝量、ホルモンバランスの関係から圧倒的に牡馬の方が暑さに弱い馬が多くて、牝馬優勢の状況をつくり出す。今年も半数の9頭いる牝馬が中心だ。◎はテイエムスパーダだ。
6歳となるが、7~9月では〈3114〉の好成績を残す。新馬勝ちが7月小倉で、初重賞となったレコードVのCBC勝も7月の小倉。3歳の夏だった。そこから7戦は低迷したが、4歳9月のセントウルSで再度逃げ切っている。そして、昨年のアイビスSDは首、首差の③着と、またも夏がきて好走した。
もともと、レッドスパーダ産駒らしく硬さのある馬だから、体がほぐれる時季は合う。そして、集中力の面で見ると、やはり千直競馬がベターなのだ。昨年のアイビスSDは前記のとおりで、自身2度目の千直となった前走、韋駄天Sは3馬身差をつけて快勝した。
小椋厩舎への転厩2戦目での変身に、43歳の若きトレーナーはこう分析する。
「以前の厩舎(五十嵐、木原厩舎)の方から気難しい面があると聞いていましたが、年齢を重ねて落ち着きが出たんでしょう。調教への地下馬道もゴネず、角馬場でも乗れた。それでCウッドで追い切れたんです。相乗効果で結果を出すことができましたね。もちろん、千直も合っていました」
今回も前走同様に1週前はCウッドで追い、直前は坂路だが、1週前が6F80秒1、ラスト2F10秒8―11秒1。6歳夏とは思えないダイナミックなフォームで豪快に駆けた。状態面は昨年以上だろう。
そして、57キロだった斤量は、今年は56キロに。この1キロ減はとにかく大きい。体調、舞台、斤量と揃えば、①着の結果を期待するしかない。
1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。