有馬記念と世相とジンクスと

公開日:2024年12月20日 17:00 更新日:2024年12月20日 17:00

今年はどんな予想が…

 1年の総決算というべきレースが近づいてきた。普段はあまり馬券を買わなくても、有馬記念だけは予想する――という人がたくさんいる。GⅠのなかで最大の売り上げを誇るこのレースはユニークな予想も飛び出す。古くからまことしやかに流れるのは「世相」と結びつけた勝ち馬予想だ。開催は22日。

2016年は「トランプ旋風」

 昨年の有馬記念は545億円超を売り上げた。数あるGⅠレースの中でダントツ。2位の日本ダービー(約284億円)と比較して倍近い。

「有馬記念は毎年買っています。いろいろな予想がありますが、私はその年の出来事と重ね合わせて馬券を買うケースが多いです。印象的だったのは2001年のレース。あの時は驚きました」(50代後半のサラリーマン)

 01年の有馬記念を勝ったのは3番人気のマンハッタンカフェ。2着はアメリカンボス(13番人気)だった。

「不謹慎だと思いますが、この年はアメリカで同時多発テロが発生し、ニューヨークのマンハッタンにある世界貿易センタービルが崩れ落ちた。卒業旅行で展望台を訪れたので衝撃でした。2着に入ったのもアメリカ絡みの馬名。以来、何となくその年の出来事やイベント、流行などを気にしながら予想しています」(前出のサラリーマン)

 16年は「トランプ」旋風が吹き荒れた。まさかの勝利だっただけにメディアも連日報道。この年に勝ったのはサトノダイヤモンドだ。

 世相予想はカードのトランプにちなんだ馬がもてはやされた。ダイヤ、クイーン、エース、ハート、キング、赤(レッド)や黒(ブラック)……。出走馬ばかりか、父馬、母馬も物色の対象になった。2着はキタサンブラック。

「今年の漢字」とは深い仲

 ジンクス的な予想もある。有名なのは「ワールドカップでアルゼンチンが優勝すると23日生まれが勝つ」。何それ? と首をひねりたくなるが、これまでアルゼンチンがサッカーW杯で優勝したのは1978年、86年、2022年の3回。有馬記念に勝ったのは順に、カネミノブ(5月23日生まれ)、ダイナガリバー(3月23日)、イクイノックス(3月23日)だ。オカルトめいているけど、予想するのは楽しそうだ。

「今年の漢字」もキーワード。特に「金」は注目。今年は5回目の「金」だった。「またか……」の声も聞かれたが、「有馬記念と世相」的には今回もジンクスが通用するかどうか、勝負の年となる。「金」が選ばれた過去4回は1番人気が優勝しているのだ。2000年のテイエムオペラオー、12年のゴールドシップ、16年のサトノダイヤモンド、21年のエフフォーリアはすべて1番人気。昨年勝ったドウデュースや19年優勝のリスグラシューは2番人気だった。そう考えると、「金」のジンクスはばかにならないかも……。

 今年は強力古馬に加え、ダービー馬や菊花賞馬も出走するが、ラストランのドウデュースに人気が集まりそう。ジンクスは続くか。

ドジャースカラーと103万円の壁

 馬名や騎手、馬番、枠番……。世相予想は幅広い。

「今年は新NISAや日経平均のバブル期超えとなった最高値更新なども話題でした。ドジャースの大谷翔平選手、愛犬のデコピンも外せません。ドジャースのユニホームは青と白。枠の色に注目し、青(4枠)と白(1枠)で枠連の1―4かな。近ごろの話題は103万円の壁なので、馬番の10と3も狙い目? ありきたりかもしれませんが、そんな予想をするのは楽しいです」(市場関係者)

 今年の漢字が始まった1995年以降の有馬記念優勝馬とトップニュース(時事通信の10大ニュースの1位)、流行語大賞、2024年のグーグル検索急上昇ランキングなどを〈別表〉にまとめた。

 今年はどんな世相を反映するか。じっくり眺めてヒントをつかみたい。

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