先週から春の中京開催が開幕。日曜は春の古馬中距離路線を占う一戦の金鯱賞が行われた。
勝ち時計は良馬場で1分58秒1。まずまず速い決着だが、前半の千㍍通過は1分0秒4のスロー。しかし、後半の千㍍は一気にペースが上がり11秒4―11秒2―11秒6―11秒7ー11秒8とすべて11秒台が並ぶロングスパート戦となった。
開幕週の中京二千で本来は先行有利の傾向が強いが、この展開では前に行った馬は厳しい。長い直線を最後まで走り切る心肺機能と欧州型な持続力を求められるレースだ。
この流れを差し切ったのがシェイクユアハート。4角10番手からの鋭く伸びた。父ハーツクライで母の父がロベルト系とタフな流れに強い配合。さらにハーツクライがトニービン内包馬で、直線長いコースでのロングスパート合戦を得意とする。
昨年、同舞台で行われた中日新聞杯も制してるが、当時も前半の前半千㍍が1分0秒3、上りの4Fがすべて11秒台と今回と似たようなラップ。このパターンでの強さをあらためて証明した形だ。ハンデのGⅢから別定戦のGⅡでも勝ち切ったあたり、ハーツクライ産駒でもあり力を付けてきている面もあるのだろう。昨年以降、重賞で掲示板を外したのは上がり3F勝負になった新潟記念だけ。今後も持続力勝負なら大崩れはなさそう。
②着ジョバンニも父がエピファネイアでロベルト持ち。祖母の父がニジンスキー系でタフな流れに強い配合だ。母の父がストームキャット系のフットステップスインザサンドだから本来は機動力を生かした先行策が得意なタイプ。近走は後方からのレースになることが多く持ち味を生かせなかったが、今回はスタート決めて本来の競馬ができたことも大きかった。半姉セキトバイーストは4歳時に重賞制覇。同馬も4歳の今年はさらに力をつけてくるかもしれない。
連覇を狙った1番人気のクイーンズウォークは③着。中団から脚を伸ばしたが届かなかった。ここまで中京二千芝の重賞では2戦2勝だったのだが、ともに稍重、重と時計のかかるコンディションだった。
血統を見るとストームキャット、ミスタープロスペクター、デピュティミニスター、ボールドルーラーと米国型の血が濃い配合。本来なら今回のような高速決着も対応できそうだが、結果的にはやや物足りない内容だった。配合的にはマイル寄りで二千㍍での高速決着では微妙に長いのかもしれない。あるいは5歳牝馬で年齢的なものもあるのか。次戦以降のパフォーマンスを注視したい。
④着のジューンテイクもクイーンズと同じキズナ産駒だが、母の父がロベルト系のシンボリクリスエスでタフな流れに強いタイプ。ちなみに、中京ではここまで4戦①①②③着の舞台巧者だ。ただし、ここまで重賞2勝は二千二百㍍と非根幹距離向きのタイプ。ひと押し足りなかったのはその辺か。
⑤着のドゥラドーレスはドゥラメンテに母の父が欧州の重厚なハービンジャー。スタミナは十二分にあるが、中盤の急激なペースアップで脚を使わされてしまったか。ややズブさのある血統ゆえ、極端なギアチェンジを求められた分、最後にもうひと伸びを欠いた印象だ。
レースレコードの決め手勝負を差し切ったアウダーシアは直線の長いコース向き!?
日曜中山のスプリングSは1分46秒0のレースレコード。02年にタニノギムレットがマークした1分46秒9を0秒9も更新する決着となった。
ペースが上がった要因は1番人気のクレパスキュラーの動きだ。道中で掛かり気味に進出し、3コーナー過ぎで先頭へ。これによりレース全体のペースが一気に引き上げられ、中盤以降まったく息の入らない展開になってしまった。
クレパスキュラーはリオンディーズ産駒。もともと同馬は前向きすぎる(掛かりやすい)気性を産駒に伝える傾向がある。サンデーサイレンスの4×3、キングマンボの3×4などのクロスももっており、その辺も影響しているのか。能力は高いが気性面をコントロールできるかが今後の課題。
勝ったのはキズナ産駒のアウダーシア。母は18年の桜花賞③着、オークス②着のリリーノーブルだ。未勝利戦は東京千八芝で33秒8の上がりを使ったように、サンデーサイレンスの3×4のクロスがあり、決め手を持つ優れたタイプ。今回も4角10番手からメンバー最速の上がり34秒0で差し切り。直線の長いコースの方がよりマッチするイメージだ。
②着アスクエジンバラ。同馬もクレパスキュラーと同じリオンディーズ産駒だが、母の父マンハッタンカフェが同産駒と相性が良く、同じ配合からは天皇賞・春を制したテーオーロイヤルに、地方重賞勝ちのリプレーザ、マイルで5勝のディオなどがいる。勝っている条件がバラバラなことでも分かるように、母系の適性を引き継ぎやすい配合。アスクは祖母の父タイキシャトルでスピード寄り。二千からの距離短縮がプラスに出たのだろう。
③着アクロフェイズもロードカナロア産駒で千八への距離短縮は良かった。祖母がクルソラでこの血筋はワンターンのコースを得意とする馬が多い。一度コーナー2つのコースでの走りを見てみたい1頭だ。
高速決着でカナロア血統上位 ディアダイヤモンド圧勝
皐月賞トライアルを振りかえったところで、土曜に中山で行われた桜花賞トライアルのアネモネSも少し。こちらも1分32秒7のレースレコード。①③着がサートゥルナーリア産駒で②着がロードカナロア産駒と、上位3頭はすべてロードカナロアの血を引くスピード血統。高速決着を象徴する結果と言える。
特に勝ったディアダイヤモンドは母の父ボールドルーラー系、祖母の父ストームキャット系とスピード色の濃い配合。前走のシンザン記念⑨着は「非力でボコボコした馬場を気にしていた」とはレース後の武豊ジョッキーだ。高速馬場でフルに持ち味を生かしての3馬身差圧勝で、今後も高速馬場なら侮れない1頭になりそう。

























