今年はホッカイドウ競馬の４戦４勝馬ベストグリーンが１番人気に支持された川崎の全日本２歳優駿。だが、①②着はＪＲＡ勢で、勝ったのは２番人気パイロマンサー、②着は３番人気タマモフリージア。２頭の着差は「首」だった。

　パイロマンサーはその名の通りのパイロ産駒。ダート千八の新馬、もちの木賞の連勝馬で、これで３連勝で２歳ダート路線の頂点に立った。

　馬主はゴドルフィン。かつては１８年の高松宮記念、スプリンターズＳを制したファインニードルや、１９年のスプリンターズＳ馬タワーオブロンドンのように芝短距離路線での活躍が目立ったが、近年はダート路線で成功している。

　代表馬は何といっても国内のＧⅠ（地方のＪｐｎⅠも含む）で６戦無敗のレモンポップ。そして現役ではチャンピオンズＣこそ⑬着と大敗したものの、ジャパンダートクラシックを圧勝した３歳馬ナルカミだ。

　パイロの産駒といえば先日のチャンピオンズＣ④着後に引退したメイショウハリオが筆頭。今後はゴドルフィンの、そしてパイロ産駒の代表として来年のダート３冠路線に出てくるか。それともサウジ、ドバイの中東遠征か。

　初のナイター、左回りを克服しただけに、可能性は無限に広がる。来年の活躍が楽しみとなる勝利といえよう。