束の間の2場開催が終わり、今週から中京競馬が開幕する。馬房の入れ替えも相まって出走馬が少なかった先週とは打って変わって、頭数は激増。10頭以上出走させる厩舎も少なくない。
当然、取材する馬も増えるから仕事量は倍以上になるが、その分“いい話”を耳にする確率も高まる。中でもトーンが高かったのがこの馬だ。
【阪神7R・4歳上1勝クラス】 トウカイエルデが一変する。
以前から陣営は「1つ、2つ上のクラスでも通用する」と、素質を買っている馬。実際、既走馬相手のデビュー戦ではハイレベルメンバーに交ざって0秒6差④着と、ポテンシャルの高さを示していた。
未勝利V後は⑪⑪⑩着と精彩を欠いているが、暑さに負けたり、予定していたレースが中止になったりと、不運が続いたもの。力を出し切っての敗戦ではない。
今回はすこぶる順調。帰厩後は坂路、コース併用で、じっくりと乗り込まれてきた。調教をつけている西谷助手は「中間はフォームの改善を。バランスが良くなり、精神的にも余裕が出てきました。かき込むような走法だった以前と比べると、ゆったり走れるようになってます」と成長を口にする。その証拠に、Cウッドでの最終追いでは6F80秒9の好時計。
「狙うなら今回ですよ」と耳打ちされれば、買うしかない。
“期待値が最も高いのはワイドだ”という持論のもと、人気サイドと中穴を絡めたワイド一点勝負を得意とするレース部の最年少。22年春から栗東で取材に励んでいる。一点勝負で磨いた感性と、変幻自在の組み合わせで一獲千金を狙う。