オークスはジュウリョクピエロが直線で馬群を割っての差し切り。今村騎手はJRA所属の女性騎手として初のGⅠ制覇を決めた。
ジュウリョクピエロはオルフェーヴル産駒。父に似て気難しい面があるようで、今回も返し馬の段階で鞍下には汗びっしょり。これで初の二千四百㍍でスタミナがもつのかと思ったのだが、ラストはメンバー最速の上がり33秒1で差し切った。
オルフェーヴル産駒は米国のBCディスタフを制したマルシュロレーヌなど、時に大物を出すのだが、ジュウリョクピエロもこれで芝に限れば3戦3勝と底を見せていない。
加えて、ジュウリョクピエロはデビュー戦をダートで勝利している。祖母ネームヴァリューは牝馬ながら帝王賞を制した女傑で、一族にもダート馬が多い。ウシュバテソーロなどダートでもA級の産駒を送り出している父だけに、ジュウリョクピエロも将来的にそちらの路線で大きいところを狙える可能性はある。さらに凱旋門賞にも登録している。父は12、13年の②着馬。母系からもタフな芝への適性は十分感じさせる配合で、3歳牝馬は斤量面でも有利。もし参戦となれば非常に面白い存在になりそうだ。
②着はドリームコア。母はGⅠ2勝のノームコアで、母の半妹にはGⅠ4勝のクロノジェネシスもおり、牝馬の方が走る牝系だ。デビューから5戦はマイルで、今回が初の二千四百㍍だったが、母の父ハービンジャーを思えば距離延長はプラス。キズナ産駒でサンデーサイレンスの3×4のクロスもあり、瞬発力型で東京もベストコースだった。ただ、勝ち馬の父オルフェーヴルが大舞台に強い一方で、キズナ産駒は3歳限定GⅠで1勝②着6回③着5回と勝ち切れないケースが目立つ。最後は勝負強さの差が出た印象だ。
③着ラフターラインズはアルアイン産駒。ディープインパクト直子としてはやや持続力寄りの産駒が多いのだが、同馬は5代母がローザネイで、いわゆる〝バラ一族〟。この母系から瞬発力を受け継いでいる。今回も千㍍通過1分2秒2のスローで、33秒3の上がりを使ったが、あと一歩届かなかった。バラ一族と言えば、オークスでは4代母ロゼカラー④着、3代母ローズバド②着、叔母スタニングローズ②着と勝ち切れておらず、今回も一族の悲願達成とはならなかった。ただ、もともと3歳秋以降に伸びてくる牝系でもあり、秋の巻き返しに期待したい。
またも距離の壁に阻まれたダイワメジャーの血
1番人気のスターアニスは⑩着。やはりダイワメジャーの血は二千四百㍍の壁を越えられなかった。母が短距離で活躍したエピセアロームで、父は母系の距離適性を受けやすいドレフォン。ストームキャット、デピュティミニスター、コジーンとスピード勝負に強い血を多く持つ配合で、やはり本質的にはマイルが主戦場なのだろう。
昨年の秋華賞は、桜花賞馬で母の父ダイワメジャーのエンブロイダリーが制したが、同馬は欧州スタミナ型のサドラーズウェルズを内包していた。ちなみに秋華賞で母の父ダイワメジャーの馬は過去3頭が出走して②⑤⑪着。二千㍍でもギリギリという印象で、やはりクラシックディスタンスでは壁がある。
京都の平安Sで4連続連対中のニジンスキー内包馬
土曜の平安Sは稍重で行われ、勝ち時計は1分56秒9。道中は12ははひ秒台前半が続く締まった流れとなった。その中で2番手から抜け出したのが昨年②着馬のロードクロンヌ。リオンディーズ産駒でキングマンボの3×3クロスを持ち、今回のような持続力勝負に強いタイプだ。
加えて、母の父がブライアンズタイムで、母の半弟ロードゴラッソも交流重賞勝ち馬。前走フェブラリーSは芝スタートで時計の出やすい東京ダートが合わなかったが、オールダートの京都千九への舞台替わりは大きなプラスだった。同じ稍重でも昨年の自身の走破時計(1分57秒4)を大きく短縮しており、力を付けてきていることは間違いない。
②着ヴァルツァーシャルは父マクフィ×母の父エンパイアメーカーという配合らしく、トップスピード戦よりもタフなダート中距離向き。特にエンパイアメーカー由来の〝脚抜きの良いダートでの持続力〟が今回の馬場に噛み合っていた印象だ。ちなみに上位2頭は、予想コラムで触れたニジンスキー内包馬。これで京都開催の平安Sでは4年連続で同馬の血を持つ馬が連対しており、やはりこの舞台では侮れない血と言える。
一方で2番人気ナルカミは⑧着。ハナを切ったものの、3角で勝ち馬に早めに来られ、息の入らない形になってしまった。ただ、3歳時ほどの勢いを感じないのも事実だ。サンダースノー産駒の年齢別勝利数を見ると、2歳15勝、3歳61勝に対し、4歳15勝、5歳1勝。初年度産駒が現在5歳でサンプルはまだ少ないとはいえ、古馬になってから伸び悩む傾向は見えている。父自身は5歳まで息長く活躍したが、産駒はやや早熟寄りなのかもしれない。



























