この日曜はグリーンチャンネルのパドック解説を務めさせていただきます。レース間のテンポが速い3場開催は、スタッフ含めて〝イレギュラーなしでお願い〟と祈っている。ままならなくても焦らず、的確に。各馬の長所短所や状態をお伝えしていきたい。ただし、何年やってもパドック入場時にうるさい馬が多い時は、妙に緊張する。馬がどのテンションにあるのか、色で見えたらうれしいのに、といつも思う。
【京都11R・京都記念】 ここの紅一点、◎チェルヴィニアのパドックはいつも安定感がある。2人で引いているが、牝馬ながらこれまでイレ込んだ姿は見たことがない。むしろ、自身でハミの当たり方を変え、それで遊んでいるような周回だ。実際に、栗東滞在していた時も冷静沈着。同じ木村厩舎でもイクイノックスの方がよほどキョロキョロしていた。今回も彼女の競馬へ向かういつものルーティンが見られることだろう。
この気性の安定感があるからこそ、久々でも力を出せるのだ。桜花賞の⑬着は不可解な敗戦となったが、他は未勝利、アルテミスSに秋華賞。2カ月以上レースがあいても結果を出してきた。
特に、一段と馬体が良くなった秋華賞、ジャパンCでは①④着。秋華賞は馬群での右ムチ、抜け出した際に遊ばせない左右と計3発のステッキだけで同世代に快勝した。
JCはレースの上がり3Fが11秒5―10秒8―11秒1。ルメールが「ドウデュースと同じ脚は使えなかったです」と話すとおりだ。トップマイラー並みの瞬発力を求められる自身のレンジ外の競馬。これで2冠牝馬の評価を下げることはない。
丹念に乗り込んで、美浦ウッドで抜群の脚さばき、推進力を見せているから、ここでは負けていられない。
【東京11R・共同通信杯】 ネブラディスクの連勝に期待する。レース前は気性的な危うさを見せていたが、レースで引きずらないから実戦型の良血馬だ。折り合って34秒4の脚。いいバネを感じさせるフットワークでの快勝だから重賞でも。
1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。