【中京記念】3歳牝馬マピュース競り勝つ
公開日:2025年8月18日 14:00 更新日:2025年8月18日 14:00
古馬相手にマイル重賞Vの高い価値
中京で行われたサマーマイルシリーズ第3戦、中京記念を勝ったのは3歳牝馬のマピュース。こちらは息子の横山武が自身初となる中京での重賞制覇を決めた。
冷静に流れを読み切っていたか。
手綱を取ったマピュースは決してスタートが速い馬ではなく、今回も遅め。それでも「自信を持って2番手を取りに行きました」の言葉通りに、道中は楽逃げとなったシンフォーエバーを前に見る絶好位。前半3F35秒4の入りだからポジション取りは言うことなしだった。
そして接戦のゴール前は3歳牝馬らしからぬ勝負根性を引き出して、最後は首差かわしたところがフィニッシュライン。まさにベストパフォーマンスを引き出した乗り方だったと言えよう。
その手腕、さらに「減量した甲斐がありました」と横山武が話したように52キロの恩恵もあったとはいえ、3歳牝馬の身で勝ち切ったマピュースの潜在能力も評価すべきか。
実際、3歳牝馬が古馬相手に重賞を勝つことはそこそこあっても、層の厚いマイル重賞でとなると、数多くあるものではない。直近で3歳牝馬がマイル重賞を勝ったのはアスコリピチェーノ=京成杯AHで、その前となると21年の富士Sを勝ったソングラインだ。
ともに、その後はマイルGⅠのタイトルを上積みしたことを思えば、マピュースのこの先も楽しみが広がるばかり。
「体は随分とたくましくなった。関節がもっとしっかりしてくれば、反応はさらによくなると思います」とは和田勇師。まだ成長の余地を残しているが、そんな状況で結果を残したのだから価値がある。
さらなるパワーアップがあれば――。3歳牝馬でマイル重賞を制した先輩の大物牝馬2頭に近づけるかもしれない。