データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

超ハイペースのレースは絶対に記憶すべき

公開日:2025年8月19日 14:00 更新日:2025年8月22日 11:03

 ラップにおける有利、不利を次走に生かすのに最も分かりやすいのはハイペースで失速した馬。先週の重賞はまさにこのパターンに当てはまった馬が穴をあけた。

 予測がついたのは中京記念(写真)の◎シンフォーエバー。関屋記念は前半5F56秒9の超ハイペース逃げ。もちろん、開幕週で馬場が良かったことも手伝ったのだろうが、明らかにオーバーペース。それでも⑩着とはいえ、着差は0秒7だった。

 今回の中京記念は単騎逃げミエミエのメンバー構成。5F58秒4で逃げて「逃げ切れるか」のシーンもつくった。

 結果、首差の②着惜敗で、勝ったマピュースが△だっただけに大魚を逃したが、個人的には中京記念で十分に狙えた馬だと思っていた。

 逆に同じハイペースの先行で負けながら、今回は無印という結論を出してしまったのが札幌記念を制したトップナイフ。

 前走の函館記念はアウスヴァールが逃げて、トップナイフが2番手。前半3Fが34秒1、5F通過は58秒1の超ハイペースで、アウスヴァールは最下位⑭着、トップナイフは⑩着(時計差は1秒6もあった)。

 ただ、そもそもトップナイフはレコードが出るような馬場で展開が向く馬ではなく、雨が降って稍重になったのも良かったのだろう。

 函館記念の勝ち時計が1分57秒6、札幌記念は2分1秒5。ほぼ4秒も違うのだから、こういう結果になることも十分に考えておくべきだった。

 さて、この流れで新潟のハイラップ戦を……といきたいところだが、JRA全10場の中で、最もスローになりがちなのが新潟。特に芝の外回りは流れが落ち着きがちで、内回りでもそうそう流れは速くならない。この原稿を書く材料に困ることが多いのが新潟なのだ。

 今回は直線競馬から。土曜11R3歳上1勝クラスではイスラコラソンが未勝利に続いて、千直連勝を達成した。

 前走は自身の前半2Fが22秒7で、上がりは32秒3。今回は22秒1、32秒9。ともに勝ち時計は55秒0である。

 未勝利Vは16頭立ての3番枠。開幕週とあって今村はそのまま内をまっすぐ進んだ。

 今回は6番枠から斜めに外ラチ沿いへ。それでペースアップしたのだから、なかなか。時計も翌日の3勝クラスより0秒3速い。

 最後に中京を。土曜11R3歳未勝利、芝千四はベルサが6F56秒4で飛ばし、そのまま逃げ切った。勝ち時計は1分19秒8だから驚く。

 勝ち馬も注目だが、次に面白そうなのは⑥着だったシャンパンライフ。他の先行馬がこのペースで壊滅となったが、4番手から最後はスムーズにさばけず⑥着。着差は0秒6だった。未勝利馬だけに次走が不透明ではあるものの、出馬表に名前を見つけたら狙いたい。

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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