朝晩が急に寒くなってきた。金曜朝の栗東は今季最低の7度。ひと月前が20度あり、今月頭は15度前後の夜明けだから体が慣れてこない。四季がなくなりつつある日本だが、急激な気温の低下はサラブレッドの毛を一気に伸ばす。自身で寒さ対策をするためだ。同時に涼しくて元気は増すからパドック派とすれば、やや体調面が見分けにくい時期。歩様の良し悪し、返し馬と併用してジャッジするしかない。
【京都11R・エリザベス女王杯】 ◎は3歳レガレイラだ。
2歳のホープフルS勝ちに、皐月賞⑥着、日本ダービー⑤着。牡馬相手に戦い、いずれも上がりの最速タイムをマークしたことを考えれば、3歳世代の牝馬とすればトップの実力がある。
実際に、日本ダービーの向正面で外に併走していたのが秋に菊花賞馬となるアーバンシック。ともに展開が向かずに涙をのんだが、0秒4差と先着したことは高く評価していいだろう。
それ以上に展開負けしたのが前走のローズS⑤着でもあった。「15番枠でいいポジションを取れませんでした。中京では難しい競馬になってしまいました」とルメールが話した通り。
1角進入がタイトな中京の大外枠で出遅れてなす術なしに。前半5Fを60秒3で逃げたセキトバイーストから約3秒3もの最後方では、33秒1の脚でも掲示板が精いっぱいだろう。ただし、直線ですぐに追い出さなかったから、勝てない中で次戦を決める探りを入れた印象も――。
出遅れをカバーしやすいことを含め、内回りが舞台となる秋華賞を避けたことは明白だ。レガレイラは後肢を大きく動かせるタイプだから、坂の下りを利せば、より直線で強烈に脚を使えそうなイメージがわく。今年のメンバーで54キロなら外一気で決めていい。
【京都9R・黄菊賞】 カレンラップスターは、前走のデビューVが雨の重馬場で34秒7の脚で勝ち切った。良化段階で七分程度の仕上がりでもあり、薄手のつくりでもあるから単なる道悪巧者ではないはずだ。能力は高い。当時より調教時計が出るようになったこの中間だから、2連勝を期待していい。ここを女王杯への資金稼ぎの場としたい。
1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。