【日本ダービー・9紙合同特別企画 道は、ひとつじゃない】キングカメハメハ・番外編~担当した黒野調教助手に聞く~
公開日:2024年5月21日 17:00 更新日:2024年5月21日 17:00
「心肺機能はズバ抜けていたと思います」(黒野調教助手)
20日発行紙面に掲載された「日本ダービー・9紙合同特別企画 道は、ひとつじゃない」。
キングカメハメハを管理した松田国英調教師、主戦の安藤勝己騎手に、毎日杯で同馬を初重賞Vに導いた福永祐一騎手(現調教師)に当時を振り返っていただいた。
ただし、ご存知のとおり、弊紙は一般紙より1ページの〝容量〟は少ないタブロイド判。紙面に収めきれなかった同馬担当・黒野匠立調教助手のお話をここに。
◇ ◇ ◇
──入厩当初のキングカメハメハのイメージは。
黒野調教助手 「実は、松田国英厩舎で担当する前、デビュー前からキングカメハメハは知っていたんです。自分はノーザンファーム早来にいて、併走相手に乗って、近くで見ていました。自分が競馬学校から松田厩舎に入り、その後再会するんですが、1歳時から気性がよく、扱いやすい印象はありました。実際に変な癖がない馬でした」
──特徴は。
黒野助手 「サンデーサイレンス全盛の時期でしたが、バネが凄いというよりも総合力で秀でている感じの馬でした。スパッと切れるというよりも淡々とどこまでも走れる感じ。特に、心肺機能はズバ抜けていたと思います」
──成績は非常に安定していましたが。
黒野助手 「ただ、体質の弱さは抱えていました。その中でも一戦使うごとによくなってきた馬で、すみれSから毎日杯ではグッと上がってきた感じを受けました」
──1番人気に支持されて日本ダービーを迎えました。
黒野助手 「マイルCからの中2週だったので、状態面をキープするという感じ。もともと、すみれS(二千二百㍍)でも勝っていたので距離は大丈夫だと思っていました。ダービーの日は、朝から灼熱で。とにかく、暑い一日でした。そのタフな条件で馬は頑張ってくれました。嬉しかったですね」
──偉大なダービー馬でしたね。
黒野助手 「引退して種牡馬となってからも、ディープインパクトと同じ時期に日本の競馬史に影響を与える馬達を輩出してくれた。今、振り返っても日本ダービーを勝てたこと、キングカメハメハに携われたことは誇りに思います」