【ステイヤーズS】10回目の出走へ あのトウカイトリックの担当者が送り出すダンディズム

公開日:2023年11月29日 14:00 更新日:2023年11月29日 14:00

最多3勝はアルバート、トウカイトリックは7度の最多出走

 土曜の中山では、師走恒例のGⅡステイヤーズSが行われる。

 中山内回りコースを2周する三千六百㍍。JRAの平地重賞では最長距離がその舞台となる。ジャパンCの翌週であり、特殊な設定で好走の幅が絞られるからなのか、リピーター率が高いのは、ファンの間でもお馴染みだ。

 代表が15~17年をムーアで3連覇したアルバートだろう。グレード制導入でGⅢとなった84年以降では、マルチ勝利した馬は他にもスルーオダイナ、アイルトンシンボリ、ホットシークレットにデスペラードと他で4頭。また、マルチ連対馬は②着3回のファタモルガーナを始め、4頭と数える。

 リピーターといえば、複数回の出走が必然となるのだが、この長距離重賞で最多7度も出走している馬がいる。エルコンドルパサー産駒トウカイトリックだ。

 4歳上半期に三千四百㍍のダイヤモンドS、三千㍍の阪神大賞典で③②着する長距離砲だったが、同年(06年)冬の初出走で②着し、翌年から④⑧④着。豪遠征があって1年あいた11年から再度、③①着で6度目の挑戦でタイトル奪取。11歳となった翌年にも③着と好走した。松元省厩舎の所属馬で08年2月末の定年解散から野中厩舎へと籍を移して、春は阪神大賞典、天皇賞・春で8年連続と出走し、冬はこの中山戦。マラソンランナーらしく12歳年明けまで息の長い活躍をした。

 トリックを手がけていたのは大平助手だが、実はトウカイ以前からステイヤーズSには〝ゆかり〟があった。00年に前記ホットシークレットの②着して、翌年はエリモブライアン、スエヒロコマンダーに続く③着したタガジョーノーブルも担当していたのだ。

ダンディズムは「さらに体調は上がっているんだよ」(大平助手)

 ステイヤーズSマスターが、自身3頭目として送り出すのが今年のダンディズム。馬は初レースとなるが、人は10回目の超がつくリピーターという珍記録にもなる。

 ダンディズムは昨年の6歳春の御堂筋Sを制してオープン入り。以降、重賞で7戦。前走の福島記念では向正面13番手の後方から長く脚を使って鼻差②着と差し込み、重賞初連対と年を重ねて力をつけてきた。

「2頭はもう懐かしい話だけど、3頭目は縁深いよね。トリックとかと比べるのはまだ可哀そうかな。でも、前走の福島記念から、さらに体調は上がっているんだよ」

 大平さんはこう話す。

 ダンディズムは7歳冬とはいえ、セン馬でもあるから、まだまだ息の長い活躍ができるはず。何より、前記のタガジョーは9歳、トリックは12歳まで走っているから、大平さんには2頭で培った〝長持ち〟させる腕がある。ダンディズムにもここからのステイヤーズS連続出走を期待したくなる。

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