【高松宮記念】牝馬が強いレース ナムラクレア「あとは勝ち運だけ」(ネットオリジナル)
公開日:2023年3月23日 14:00 更新日:2023年3月23日 14:00
高松宮記念は牝馬が強い。
18年以降は毎年のように馬券に絡んでおり、過去5年で4連対。20年はモズスーパーフレア、グランアレグリアで牝馬によるワン・ツーが決まったように、牝馬軽視は禁物だ。
今年は7頭の牝馬がエントリーしてきた。その中で注目したいのは、強い4歳世代でも存在感を示してきたナムラクレア。
桜花賞③着後からスプリント路線にシフトすると、函館スプリントSでいきなりV。先行押し切りで2馬身半もの差をつけた勝ちっぷりから、スプリント界に新星誕生かと思われた。しかし、北九州記念では前が塞がり③着。続くスプリンターズSでは前、内有利のトラックバイアスに泣かされて⑤着。2戦とも力負けではないだけに、不本意な秋シーズンとなった。
その鬱憤を晴らしたのが前走のシルクロードSだ。
スプリンターズSとは違い、道中は中団の内でロスなく追走。ここで脚をためられたのが、ラストの爆発力につながった。仕掛けられてからの反応は抜群で、上がり3Fはメンバー最速の32秒9。ゴール前では両サイドから挟まれるタイトな競馬になったが、ひるむことなく頭差ねじ伏せた。着差以上に強い競馬で、ひと皮むけた勝ちっぷりだった。
「左回りや、広いコースへの舞台替わりなど、課題はたくさんありました。その中で、しびれるようなレースをしてくれた。本番に向けて、不安要素が消えるレースでしたよ」(長谷川師)
スプリント界制圧に向けて、まさに順風満帆。短期放牧を挟んで、状態はさらに一段、上がっている。
先月29日に帰厩すると、3月1日には早くもCウッドで初時計をマーク。そこから週2本ペースでしっかり乗り込まれ、1週前には浜中を背にCウッドで6F79秒8─37秒0、1F11秒5の好時計。調整は順調そのものだ。
「2週前と1週前にしっかり負荷をかけました。これで仕上がったと思います。直前は気持ちの面と、体の使い方を確認する程度(時計は坂路4F53秒3─12秒1)。非常に良い調整でした。自信を持って、レースに向かえます。あとは勝ち運だけ」
悔しい思いをした秋の雪辱を晴らすべく、仕上がりは文句なし。勢いそのままにGⅠタイトル奪取となるか。