【弥生賞ディープインパクト記念】快勝タスティエーラ 気になるローテと血統面からくる高速決着への懸念
公開日:2023年3月6日 14:00 更新日:2023年3月6日 14:00
弥生賞ディープインパクト記念は3番人気のタスティエーラがV。同じ堀厩舎だった父サトノクラウンと同一重賞親子制覇となった。
3コーナー手前からじわっと押し上げて、4コーナーでは2番手。決して手応えは良くなかったが、ラストまで長くいい脚を使って②着に1馬身差をつけてのフィニッシュ。内容的には完勝と言っていいだろう。
ただし、クラシックに向けてとなると、課題が残るのも確か。
まず一つはローテーション。前走の共同通信杯では④着と敗れて賞金加算ができなかったため、中2週でここを使わざるをえなかった。
「最終目標はダービーです。そこに向けてどうするか、この後の状態を見てから判断したい。間隔が詰まってたので、短期放牧に出します。(皐月賞は)まだ流動的です」とはキャロットファーム代表取締役社長の秋田博章氏だ。
もし皐月賞に使うとなると春3戦目で、ダービーが4戦目となる。消耗を抑えて最小限のステップで本番に臨む近年のトレンドとは、逆行する形になる。
ちなみに、共同通信杯→弥生賞を両方使ってクラシックを勝った最後のケースは90年のダービー馬アイネスフウジン。実に33年も前のことだ。
もう一つは高速馬場で時計勝負になった時にどうかということ。
父は“稍重”の弥生賞を勝って、1分58秒台の決着だった皐月賞は⑥着止まり。2分23秒2のレースレコードが出たダービーも③着までだった。
半面、古馬になってからも稍重の宝塚記念勝ちなど、道悪では抜群の強さだった。その血を受け継いでいるだけに、時計の壁を打ち破れるかの心配も残る。
これらを克服して父超えのクラシック制覇なるか。いずれにせよ、混戦の3歳牡馬路線で、目が離せない存在になったのは間違いない。