Aコースの函館記念で強かったスピード型の血。今夏の福島ではフィエールマン産駒が猛威を振るう!?
公開日:2025年7月1日 07:00 更新日:2025年7月1日 07:00
函館記念はヴェローチェエラが二千㍍1分57秒6のレコードで重賞初制覇。サッカーボーイのもつ記録を37年ぶりに更新した。
今年の函館記念は例年の後半開催ではなく、3週目でAコースでの施行。実は21年もAコースで行われており(当時は札幌→函館→札幌の変則開催で7月半ばでも3週目のAコース)、当時は過去10年で唯一、1分59秒切りとなる1分58秒7での決着だった。開幕週からレコード連発の今年は、良馬場なら速い時計が出ることは想像に難くなかった。
もちろん、それを見越して例年のタフな欧州型中心の予想から、スピード向きのSS系(特にディープ系)を中心に組み立てたのだが、勝ったヴェローチェエラは▲で◎のディマイザキッドは④着と締まらない結果に。ま、狙いは悪くなかったと思い、この傾向を来年に予想に生かしたい。
勝ったヴェローチェエラの血統を振り返ると、父リアルスティールでディープインパクトの直子。祖母インペリアルビューティは千㍍のGⅠアベイユドロンシャンン賞の勝ち馬だ。母の父デインヒルダンサーもマイラータイプだから、母系はサドラーズの血を持つものの意外とスピード寄り。
近走は二千六百、二千四百で1~3勝クラスを勝ち上がったため、重賞も長めの距離を使われていたが、二千への距離短縮で良さが出たのだろう。父の産駒はディープ系らしく東京で強い特徴もある。今回は函館での重賞勝ちだったが、広いコースの中距離戦での走りを見てみたいと思わせる一頭だ。
②着はウインバリアシオン産駒のハヤテノフクノスケ。父がハーツクライ直子で、母がロベルトのクロス持ち。晩成血統らしく古馬になり力をつけてきているのは分かっていたが、正直速い時計に対応するは難しいかと思っていた。それがレコード決着で0秒3差だから、想像以上に力を付けている。操縦性の良さからも小回りローカルで時計のかかる馬場ならさらに面白いのではないだろうか。
③着マイネルメモリーは母の父がスターオブコジーン。グレイソヴリン系でもスピード色の強いコジーン系だ。加えて、ハイペリオンの血脈も多い小回り向き。2、3勝クラスを京都内回り、小倉の二千で勝ち上がったように、小回り二千は条件的にピッタリなのだろう。
④着がディープ直子ディーマジェスティ産駒のディマイザキッドだったことをみても、Aコースの函館記念ではスピード色濃い血を狙うのが今後のセオリーとなってきそうだ。
福島で行われたラジオNIKKEI賞はエキサイトバイオがV。母は10年ローズSの勝ち馬で秋華賞②着のアニメイトバイオ。母としてはこれまで6頭の仔がJRAでデビューし4頭が勝ち上がり。半姉には4勝を挙げたビッククインバイオもいるから、肌馬としても優秀な部類だ。
デビューから6戦すべて二千㍍。今回は初めての千八で重賞勝利となった訳だが、父レイデオロの産駒は距離が延びていい馬が多い。加えて晩成型の傾向もあるから、秋に菊花賞出走となれば面白い存在になってきそう。
②着はセンツブラッド。いったんは抜け出したのの、勝ち馬の強襲にあって②着。前走の白百合Sも同じようにゴール前で差されている。ルーラーシップ×ハービンジャーで、近親にも6歳でGⅠ勝ちを挙げたテンハッピーローズがいる血筋。晩成傾向のある配合だけに本格化はまだ先なのかもしれないが、詰めの甘さが現状の課題か。
③着インパクトシーはプリンシパルS⑩着から一変。父フィエールマンは昨年の新種牡馬でここまで通算18勝。中山で最多の7勝を挙げており、ディープインパクト直子でも小回り向き。また、昨年の2歳時は5勝だったが、3歳になり勝ち星を伸ばしているように、父同様に晩成の傾向も。
注目すべきは今回の福島開催での成績の良さ。先週はベルチュガダン、レイヤードレッドで2勝。エデルクローネが1勝クラスで③着と7頭が出走して4頭が馬券圏に来た。3歳世代が成長してきたことと、小回り巧者があいまっての好成績なのかもしれないが、今夏の福島開催ではフィエールマン産駒に注目しても面白そうだ。
恒例(?)の新馬戦振り返りは次週が重賞ひとつでややネタに困りそうなので(笑)、来週に触れようかと思います。ちなみに、キーワードは〝ドレフォン〟で。