欧州色濃いインビンシブルパパが芝2戦目で重賞制覇、レパードSは父がレパードS勝ち馬の産駒でワン・ツー
公開日:2025年8月12日 07:00 更新日:2025年8月12日 07:00
日曜に中京で行われたCBC賞はインビンシブルパパが逃げ切り。芝参戦2戦目で重賞初制覇を決めた。
父シャラーは欧州の短距離路線で活躍馬を多く出したインヴィンシブルスピリッツ(24年に種牡馬を引退)の直子。キングマンの父と言えば想像しやすいか。シャラーも現役時代は欧州の6FGⅠ2勝と芝の短距離路線で活躍している。海外での産駒には愛国のマイルGⅠメイトロンSを制したノースピークアレクサンダーなど。
イメージは芝のスピードタイプ。インビンシブルパパは母の父も欧州の芝マイルGⅠで5連勝を挙げたキャンフォードクリフス。近親にはファインニードルがいる血筋だ。デビューから8戦はダートを使われていたが、ヨーロッパ色が濃い配合で本来は芝向き。加えて、南半球産で9月の遅生まれ。古馬になり力を付けてきたのだろう。南半球産の短距離馬と言えばキンシャサノキセキがいたが、同馬も今後が楽しみになる勝利だった。
②着ジューンブレアは重賞で連続②着。父は米3冠馬のアメリカンファラオだが、母ラップオブラグジュアリーの半兄ダッチアートが欧州GⅠ2勝。全姉アップが欧州で重賞2勝。母の父がガリレオで母系から芝適性を受け継いでいるのだろう。ただ、スピード勝負よりも力のいる馬場の方が合う印象。ここ2戦はこの馬には時計が速かすぎた感も(それでこの内容なら上々)。同じ千二でも直線に急坂のある中山の方がいいタイプではないかと思う。
③着シュトラウスは初の6F戦で見せ場十分の走り。上がり3Fは母ブルーメンブラットを彷彿させる走りだった。母に父モーリスも晩成型のタイプ。古馬になり力を付けてきたこともあるのだろう。ただ、配合的にはやはりマイル色が強い気がするが。
昨年の覇者ドロップオブライトは④着。ラストはメンバー最速の32秒3と脚は見せたが、近走は前半の行きっぷりが悪くなっている点が気になる。父はマイル~中距離で活躍したトーセンラー。年齢を重ねたことでややマイル寄りにシフトしているのかもしれない。
新潟で行われたレパードSはドンインザムードが好位から押し切り。父アジアエクスプレスとの父子制覇を決めた。アジアエクスプレスは先週のピューロマジックに続き、この新潟開催で重賞2勝目。芝の短距離、ダートの中距離での勝利は芝、ダートの両方で重賞勝ちを決めた父の産駒らしいところ。ちなみにドンインザムードは母ハギノウィッシュが芝二千で未勝利勝ち。今回、不良で脚抜きのいい馬場で勝ったことを考えれば芝でもある程度走れそうなイメージが湧いてくる。
②着はホッコータルマエ産駒のルヴァンユニベールで、こちらも父がレパードSの勝ち馬。ホッコータルマエ産駒はダートの重馬場が得意な傾向。今回を含め、オープンの不良で馬場では3頭が出走で2頭が馬券圏内に。馬場が渋れば期待値が上がる点は覚えておきたい。
初ダートながら1番人気に推されたヴィンセンシオは⑦着。正直、この馬のダート挑戦をどう見るか、戦前はかなり頭を悩ませた。
というのも父リアルスティールはフォーエバーヤングを出しており、母の父キングカメハメハとの配合では18勝中7勝がダートとまずまずの成績。一見ダート替わりは悪くないようにも思える。ただし、気になったのがシーザリオの母系。ご存じの通り多くの活躍馬を出す優秀な牝系なのだが、ダートに限ればオールマイデイズの1勝のみ。そう、明らかに芝向きの血なのだ。今回はスタートでつまずいて後方からになったこともあるとはいえ、個人的にはやはり芝の方がいい血統ではないかと思っている。
札幌開催のエルムSではヘニーヒューズ産駒は買いの一手
土曜に札幌で行われたエルムSはぺリエールが2馬身半差の快勝。父はヘニーヒューズでストームキャット系だ。エルムSはもともと同系の強いレースなのだが。中でもヘニーヒューズ産駒は同レースに5頭が出走して⑤①②①①着と抜群の成績。ちなみに⑤着だった21年のレピアーウィットで当時は函館開催。今回を含めて札幌開催のエルムSでは1度も連対を外していないのだ。ぺリエールは前走の函館・大沼Sからの連勝となったが、産駒は総じて北海道のダートと相性がいいことは覚えておきたい。
②着はリオンディーズ産駒のロードクロンヌ。同産駒は天皇賞・春勝ち馬のテーオーロイヤルから地方交流重賞3勝のサンライズホークなど、母系の特徴により様々な産駒を出している。ロードは母の父がブライアンズタイムでロベルト系。サンライズホークも同じブライアンズタイムでリオンディーズ×ロベルト系は38勝中25勝がダートと砂向きに出やすくなる。
加えてロードは母の半兄がシリウスSや名古屋大賞典を勝ったロードゴラッソだからなおさらだ。重賞では3戦して③②②着だが、すぐに勝てるチャンスはありそう。パワーのある配合だけに、阪神や中山といった直線に急坂のあるコースの方がよりいいかもしれない。