【有馬記念】ミュージアムマイルの勝利であらためて示した2つのこと
公開日:2025年12月28日 16:25 更新日:2025年12月28日 16:25
ゴールしてすぐにC・デムーロの手が上がった。今年の有馬記念を制したのは3歳馬ミュージアムマイル。C・デムーロは先週の朝日杯フューチュリティS=カヴァレリッツォに次ぐGⅠ制覇。有馬記念は昨年、シャフリヤールでレガレイラに鼻差の惜敗で、7回目の挑戦にして初制覇となった。
それにしてもC・デムーロはうまい。よく勝つ。
11月1日から2カ月間の短期免許でこの有馬記念が37勝目。同期間でルメールの40勝には劣るが、それでも3位の戸崎が22勝だから、いかに勝っているかが分かろうというもの。ルメールがこの間、65回も1番人気馬に騎乗しているのに対し、C・デムーロは50回。それを思えば互角というより、馬券的なものを考慮すればC・デムーロの方が上という見方もできる。
また、ミュージアムマイルの勝利で3歳馬の強さもあらためて浮き彫りになった。
今年は天皇賞・秋がマスカレードボール、ミュージアムマイルの決着で、レース史上初の3歳馬のワン・ツー。そしてエリザベス女王杯でもパラディレーヌが②着に入った。
さらにジャパンCではマスカレードボールが、レコードVとなったカランダガンの頭差②着。馬券圏内ではなかったが、ダービー馬クロワデュノールも凱旋門賞帰りというハンデを克服して④着に入った。
そしてこの有馬記念での勝利だ。これまでも21年エフフォーリア、22年イクイノックスのように、3歳の同一馬が天皇賞・秋、有馬記念を制した例はある。
しかし、異なる馬で天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念の古馬チャンピオンロードを3歳馬が2勝した例となると、18年にまでさかのぼる。
この年の天皇賞・秋、を制したのはアーモンドアイ、有馬記念はブラストワンピースだ。その前となると12年で、ジャパンC=ジェンティルドンナ、有馬記念=ゴールドシップである。
この2世代は特に強かった。
その物差しとして「3歳上、4歳上」の平地重賞をその世代が何勝したかを数えると、アーモンドアイの世代(現10歳)は108勝。これは全世代の中で断トツであり、唯一の100勝超えである。
そしてジェンティルの世代(現16歳)も87勝でかなり多い部類になる。
近年最強のイクイノックス、ドウデュースらの現6歳が現在のところ、86勝。5歳は50勝である。この数字がとりあえずの目安となるか。
今年の有馬記念があらためて示したものはC・デムーロのうまさと、3歳世代の強さか。来年はマスカレードボール、ミュージアムマイルに、ダービー馬クロワデュノールが中距離以上の路線を牽引することになるだろう。3頭の再戦が非常に待ち遠しい。


























