あらためてハンデ重賞の59㌔以上を検証して分かったこと
公開日:2023年1月26日 14:00 更新日:2023年1月26日 14:00
シルクロードSのウインマーベルは59㌔
15日(日)のGⅡ日経新春杯では59キロを背負ったヴェルトライゼンデが勝利。トップハンデをモノともせず、ジャパンC③着の実力をまざまざと見せつけた。
今週のシルクロードSにもハンデ59キロの馬がいる。昨年のスプリンターズSの②着馬ウインマーベルがそう。こちらも力の違いを見せるのか。
ともにGⅠ実績馬がハンデ重賞で重い斤量を背負うケースだが、同系列では論じられない。距離が全く違うからだ。
一般的に重い斤量がこたえるのは短距離戦といわれる。
まずは過去のハンデ重賞から、59キロ以上の馬が勝利した例を挙げてみよう。対象となるのはレースデータが電子化されている1986年以降になる。
勝った馬は延べ13頭。
まずは88年京阪杯=トウショウレオ。59・5キロだった。ただ、今とは違い、京阪杯は芝二千メートルである。
89年は鳴尾記念=ミスターシクレノン、ステイヤーズS=スルーオダイナが59キロで勝利。90年にはそのスルーオダイナがダイヤモンドSを61キロで勝っている。
91年にはカリブソングが金杯(中山)を59キロ、目黒記念を60・5キロで勝利。92年は前記ミスターシクレノンがダイヤモンドSを59キロで勝った。
その後、95年ダイヤモンドS=エアダブリンは59キロ、99年日経新春杯=メジロブライトは59・5キロ。だが、その後はそもそもそんな重い斤量を背負って出てくるケース自体が激減。
2000年以降は同年新潟記念=ダイワテキサス、03年新潟大賞典=ダンツフレーム、06年七夕賞=メイショウカイドウが59キロを克服。ヴェルトライゼンデの勝利はこのメイショウ以来、実に17年ぶりのことだったのだ。
そして、これらのレース名を見ると、長距離戦が多く、短くても二千メートルであることに気がつく。
そう、千八以下のハンデ重賞を59キロ以上の馬が制した例は、86年以降、ひとつもない。
距離別では、
① ② ③ 外 連対率
千二0 1 1 2・250
千四0 1 0 2・333
千六0 0 0 2・000
千八0 0 3 8・000
ただ、ハンデ重賞は中距離以上に多く、千八以下はそう多くない。千二から千八でハンデ59キロ以上の馬は40年近くで20頭のみ。直近は13年シルクロードS=ダッシャーゴーゴーにまでさかのぼるが、この馬は59キロながらも4番人気で②着に健闘した。
これまでと違うのは同じ59キロであっても、周りも1キロ分、昨年より増えているという点。短距離戦ではやはり59キロはきついのか、それとも傾向は変わるのか。ウインマーベルの走りには特に注意がいる。