消耗戦のジャパンCで先行②着 カレンブーケドールを高評価
公開日:2019年11月26日 17:00 更新日:2019年11月26日 17:00
上がり3F「37秒2」の大激闘。創設39回目にして初めて外国馬の参戦がなかったが、今年のジャパンCはレースとして非常に見応えがあった。
昨年はキセキが引っ張り、途中から“肉を切らせて……”のラップを刻んだ。5F目から11F目(残り200メートルまで)が11秒台である。ちなみに、前半5F通過は59秒9だった。
では、今年はどうか。金曜から土曜まで雨が降り続き、日曜は不良スタート。午後2時15分ごろに重馬場に回復したものの、とにかく内は悪く見える。馬の蹴り上げる黒い土がいっぱい上がっていたほどだ。
それでいて、前半5Fは60秒3。スーパーレコードが出た昨年より0秒4遅いだけだから、明らかな消耗戦。勝ったスワーヴリチャードは速い上がりに欠く半面、持久力はメンバー屈指だ。内にこだわったマーフィーの騎乗も見事だった。
そういうラップだけに、最上位の評価はやはり先行して②着のカレンブーケドールだ。逃げたダイワキャグニー、2番手グループのダンビュライト、エタリオウが失速する中で、3歳牝馬とは思えない正攻法の競馬。これでオークス、秋華賞に続いて3度目のGⅠ②着で、あとは“運”だけか。
驚いたのはマカヒキの後方ポツンからの④着好走。これは瞬発力を求められる馬場にならなかったのが好走の要因か。
また、1番人気レイデオロは⑪着。馬場を気にしたにせよ、見せ場もなく、ちょっと負け過ぎだ。もしかするとピークを過ぎてしまったのかもしれない。
さて、先週は雨の影響により、ダートでの超ハイペースのレースが目立った。
まずは土曜8R、2勝クラスの千六だ。スタートでワンテンポ遅れた藤田菜七子スズカアーチストがハナを主張。だが、テンに少し他馬と競ったこともあり、ハイラップを刻むことに。前半3Fは33秒8、5Fは57秒3で、6F1分9秒6。短距離戦のラップでは最後に甘くなって1秒差⑧着も仕方がない。
過去の2勝は千四で、中山なら千二。それも今回のラップから対応できるとみる。
この流れに2番手にいたのがグレートウォリアー。1年3カ月以上の休み明け、初ダート、超ハイラップの前に⑫着と沈んだ。ただし、残り200メートルまでは頑張っていた。次は本来の芝か、それとも脚元の関係でダートなのか判然としないが、3歳春の大寒桜賞②着時の③着馬はメールドグラースだから、2勝クラスでは力が違うはずである。
日曜9Rシャングリラ賞を勝ったペイシャネガノも衝撃的だった。
乗り替わったM・デムーロがハナへ誘導。2勝クラスの千四で5F58秒9はこの馬場なら平均ペースと考えるが、上がり3F34秒5では後ろの馬はなすすべなし。
②着には3馬身半差。この強さは昇級しても狙う価値がある。