【ジャパンC】今年の外国勢は東京競馬場・国際厩舎の評判を上げられるのか──。
公開日:2024年11月20日 14:00 更新日:2024年11月20日 14:19
輸送の負担を軽減し、馬房をモニタリングできるシステムも
秋東京の掉尾を飾るのが、日曜日に行われるジャパンCだ。
①着賞金が5億円。暮れの有馬記念と並び、国内最高額のレースとなる。第1回の勝ち馬メアジードーツから、ハーフアイスト、スタネーラと外国馬は3連勝。各国から挑戦し、〝世界は広し、強し〟を実感させた。時は流れて──。
外国馬がジャパンCで最後に勝利したのは、05年のアルカセットとなる。以降、17年で59頭の出走(19年は不出走)で、馬券に絡んだのは06年のウィジャボード(③着)のみだった。15年に①着賞金を3億円とし、22年に4億。23年に現在の5億へと増額して、海外の主要競走へ対抗してきている。
外国馬誘致へ。もうひとつの鍵は、22年の秋より稼働した東京競馬場の国際厩舎だろう。馬場内に併設され、輸入検疫を可能とする施設だ。
以前は、成田国際空港から検疫先の千葉県白井市のJRA競馬学校に入り、7日間の検疫を終えたのち、東京競馬場へ移動するのが常だった。輸送の負担を軽減し、快適にレースするために新設されたもの。スタンド側には高さ3mの防音壁を構え、馬房は二重窓。歓声対策もできている。馬房には管理馬を24時間モニタリングできるカメラも。〝ウェルカム〟な施設ともなっている。
安田記念Vロマンチックウォリアー陣営には好評
国際厩舎の完成後に東京GⅠへと挑戦した外国馬は7頭。
《22年ジャパンC》
グランドグローリー=⑥着
テュネス=⑨着
シムカミル=⑮着
《23年フェブラリーS》
シャールズスパイト⑨着
《23年ジャパンC》
イレジン⑨着
《24年安田記念》
ロマンチックウォリアー①着
ヴォイッジバブル⑰着
という成績だった。
唯一の勝ち馬ロマンチックウォリアーの検疫期間には、ダノンデサイルが勝った日本ダービー当日も含まれていた。7万8678人もの入場者で国際厩舎にも熱気はあったが、「扉を全部閉めてしまえば、かなり静か。馬は動じていないようでした」とロマンチック陣営は話している。やはり、快適な空間なのだ。
今年はオーギュストロダン、ゴリアット、ファンタスティックムーンの3頭が来日。14日に成田国際空港への到着から、約4時間後には東京競馬場にいたから至極、スムーズな輸送が行われている。
そして好成績を残し、レース後、「ジャパンは快適だった」の声があれば、さらなる外国馬誘致への後押しとなるかもしれない。
実際に、オーギュストは名伯楽A・オブライエン師の管理馬で、生産者はクールモアスタッド。ともに世界を股にかける競馬界の世界的トップ。勝てば、東京競馬場、国際厩舎の評判は上がる。続いて来日する外国勢が増えるかもせれない。果たして、沿う結果を残すことができるのか──。