近年はかつての王道だったローズSより、紫苑Sの地位が向上している。
ただし、今年ばかりはどうだろうか。1勝馬が制した紫苑Sよりも、オークス馬がレコードに0秒5差の好時計勝ちしたローズSの方が優秀だ。
その好時計の要因はペース。前半5Fが56秒8という、阪神外回りでは考えにくい激流だった。
当然、前に行ったクチは直線でバッタリ。逃げたアイサンサンが⑫着、2番手コンドゥイアが⑭着で、3番手ルージュソリテールは⑩着である。こちらに穴馬が潜んでいる気がする。
本命はそのルージュソリテールだ。着順こそ悪いが、オークス馬カムニャックとの着差は0秒6しかなく、ペースを考えればよく粘っている。
春はスイートピーSを千八1分45秒9の好時計勝ち。レース歴代2位の時計で、後半5F58秒0は19年カレンブーケドールが勝った時の57秒6に次ぐ記録だ。
結局、この時の疲れが抜けきらず、オークスを回避したが、高い能力を秘めているのは間違いないところ。
実際、このスイートピーSで③着だったケリフレッドアスクが紫苑Sを制し、④着グローリーリンクは1、2勝クラスを好時計勝ち。秋華賞は残念ながら除外されたが、出ていれば上位人気の一角だったはず。さらに、⑥着テレサはローズSで②着している。時計がいいだけでなく、今思えばメンバーの質も上々だった。
“ハイペースは馬を鍛えて強くする”が持論。それは前記アイサンサンが先週日曜、古馬2勝クラスの鷹巣山特別を千六1分32秒0の好時計で制したことでも証明されていよう。
ローズSとは違い、落ち着いたペースになってくれれば直線の短い京都内回りで粘り込みがあっても不思議ではない。武豊エリカエクスプレスの逃げなら、うまくペースを落とすはず。紫苑Sを逃げ切ったケリフレッドアスクは◎と同じ藤原英厩舎。少なくとも、同厩での競り合いはない。
秋華賞もスプリンターズSに続いて前残りで大波乱だ。
月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。




























