【神戸新聞杯】エリキング、ショウヘイでダービー組が上位独占
公開日:2025年9月22日 14:00 更新日:2025年9月22日 14:00
菊スルーで今年もボーダーは下がり気味
阪神で行われた菊花賞トライアルの神戸新聞杯を制したのはエリキングだった。
まさに豪脚と言っていいだろう。
レースは横山典ボンドロアがハナを切って2番手が武豊アルマデオロ。ベテランの名手2人が前を固めるとペースが上がるはずもなく、5F通過は62秒6。その分、逆に後半は速くなって、ラスト半マイルが45秒0、3Fは33秒1になった。
決して流れが向いていない中で、外を回して直線は一気差し。ラスト3Fはなんと32秒3で、エリキングより前で立ち回っていたライバルのショウヘイをねじ伏せたところがゴールだった。
骨折があって春は皐月賞がブッツケで⑪着。ダービーは後方からの競馬になってしまい、鬼脚でも⑤着と差し届かず。ビッグタイトルには手が届かなかった。
それだけに、「これを使って良くなるようにとのところで、これだけの走りができたのは収穫」とは川田で、これ以上ない秋初戦になったと言えよう。
そして②着にはショウヘイ、③着はジョバンニと順当にダービー組が占めたことになるが、その裏で今年はクロワデュノールが凱旋門賞へ。皐月賞馬ミュージアムマイルとダービー②着馬マスカレードボールは天皇賞の予定で、春クラシック①②着馬が全くいない本番となる。
その“菊スルー”は近年、実績馬だけでなく、22年の菊花賞出走ラインが本賞金900万口で抽選なら、一昨年はフルゲート割れ、昨年は抽選なしの全馬出走。今年も2勝クラスを勝利していれば現状は余裕のボーダーラインになっている。
種牡馬の価値という観点からすれば、長距離レースは敬遠される側面がある。それも一定の理解はできるが、伝統あるクラシック3冠最終戦。菊花賞の価値が沈下したとまでは言わないまでも、その“菊スルー”に反発するような熱い戦いをぜひ見たいものである。