勝羽太郎 情報ノート

【勝羽の土曜競馬コラム・阪神牝馬S】

公開日:2025年4月11日 17:00 更新日:2025年4月12日 11:05

「あーちゃん」の愛称でファンがついたアーテルアストレアが引退した。後肢のバランスの左右差がなければもっと右回りで活躍できたはずだが、細手で450キロ台前半だった体はラストランの兵庫女王盃で482キロ。放牧ごとの成長を感じさせてくれた一頭だ。
 担当の酒井助手は無事に送り出して「楽しかったです」と安堵の表情。多くの人に見送られたと聞いた。あの〝猛牝〟カワカミプリンセスが旅立つ朝の立ち会いは、記者と他紙先輩の2人だけだった。SNS発展前の懐かしい思い出だ。

【阪神11R・阪神牝馬S】 ここはターコイズS勝ちのアルジーヌを素直に◎だ。

 京都千八外回りの2走前、カシオペアSを1分44秒8で制したのも高く評価できるが、前走のGⅢも55・5キロを背負って勝ったことに値打ちがある。実際に、近年では牝馬のハンデ重賞をトップハンデで勝つことは非常に難しいからだ。

 近10年では、16年愛知杯のバウンスシャッセ=55・5キロ、18年ターコイズSのミスパンテール=56キロに、20年愛知杯のデンコウアンジュ=56キロの3例のみ。切れる牝馬にとって斤量が軽ければ軽いほど有利なのは明白で、3頭に続くアルジーヌの前走は地力強化そのものだろう。

 同レースの先輩馬ミスパンテールは、53キロの17年に続く連覇で、その後にGⅢ京都牝馬S、GⅡ阪神牝馬Sの別定2重賞も制した。アルジーヌの余力を残しての1馬身差Vはやはり強い。

 1週前のCウッドで6F80秒2、ラスト1F10秒8と自己ベストを出して、今週は坂路1F11秒8。ともに馬なりで前走以上の気配だから、重賞連勝のV3を決める。

勝羽太郎の予想買い目を見る

4月12日(土)阪神競馬場

勝羽太郎

 1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
 大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
 グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
 余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。

著者詳細、記事一覧へ

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間