今年は前年とレース条件が異なる重賞が多い。先週も東海Sが1月中京の千八から夏の千四ダートへ。関屋記念も2週前倒しでハンデ戦へと替わった。
新潟の関屋記念は直線の長い新潟千六らしく後傾ラップになり瞬発力勝負になりやすいレース。前3年のは前後半の3Fを見ても
22年36秒2=33秒0
23年34秒5=33秒8
24年34秒5=33秒8
といった具合だ。
今年は前後半の3F33秒9=34秒1だったものの、勝ったカナテープは4角14番手から32秒5での差し切り。やはり決め手がものをいう結果となったか。
ただし、今回のポイントはもうひとつ。1分31秒0のレコード決着となったことだ。レースも前後半の4Fは45秒5=45秒5のイーブンペース。スローのヨーイドンではなく、ある程度速い流れについていけるスピードも要求されたということ。ここら辺が開幕週で行われた影響なだろう。
そこで生きたのがヌレイエフの血。今回掲示板に載った5頭のうち、ボンドガールを除く4頭がこの血を持っていた。元来スピードの持続力勝負に強い血で、今回のようなよどみなく流れるレースは向いている。
特に勝ち馬のカナテープはトライマイベストの5×4のクロスもあり、よりスピード勝負に強い印象。千八だった前走の府中牝馬Sから1F短縮も良かったのだろう。
②着オフトレイルは仏6FのGⅢ勝ち馬ローザインペリアルの3/4きょうだい。父ファーの母の父がランドとドイツ系の血が入っていことで兄より距離のもつ配合になっている。こちらは6Fで惨敗だった前2戦からマイルへの距離延長が吉とでた。
②着同着だったボンドガール。これで6度目の重賞②着だ。今回は56㌔で勝ち馬と2㌔の斤量差があったとはいえ、②着同着のオフトレイルは57・5㌔だったことを思うとやや物足りない感も。
近走は折り合いに苦労する面も出てきており、ダイワメジャー産駒ということも考えれば少し距離が短くてもいいのかもしれない。
東海Sで復活のヤマニンウルスは夏血統、1番人気③着ビダーヤは寒い時期向きの血
中京の東海Sはヤマニンウルスが昨年のプロキオンS以来の復活V。もともとデビューから5連勝で重賞勝ち。その後の活躍がが期待されたが、賞金面で思うようにレースが使えなかったこともあり、1年近く勝てなかった。
同馬の母ヤマニンパピオネは繁殖として非常に優秀で、ここまでJRAでデビューした6頭の仔のうち、5頭が勝ち上がり。先日の北九州記念で半弟のヤマニンアルリフラが重賞Vを飾ったばかりだ。弟も3連勝で重賞勝ちと、勢いに乗ると止まらいない血だけに、この勝利がいいきっかけとなるか。
ただ、気になる点がないわけではない。それは自身を含めきょうだいの重賞3勝がすべて7月だということ。思えば、ウルスが新馬戦でレコード勝ちを挙げたのも8月。暑い時期がいい血筋なのは頭に入れておきたい。
1番人気で③着だったのがビダーヤ。ダートに転向して5戦目で初めて土がついたが、こちらは半兄シャケトラが1~3月で重賞3勝。きょうだいも通算28勝を挙げているが、7、8月は1勝ずつとあまり暑い時期に強い血ではない。重賞初挑戦で苦手な時期を思えば内容は上々。涼しくなってくれば十分に逆転の可能性はありそうだ。
新馬戦では日曜新潟3R(千六百㍍芝)でソールオリエンスの半妹となるフィロステファニがデビュー勝ち。出遅れて後方からなったが、上がり3F32秒6で差し切り。エピファネイア産駒らしい決め手で新馬Vを決めた。
今年の2歳リーディングで現在首位のエピファネイア産駒だが、もともと直線の長いマイル戦は大の得意。同じく芝のマイル戦で行われた新潟土曜2Rでもラプランセスが②着。上がり3Fは33秒0だ。この舞台では同産駒の決め手が存分に生きるから、出走してくれば忘れずにチェックしておきたい。