先週の中京、芝レースの後で、「脚を取られてのめっていた」「進まなかった」のコメントを負けた馬の騎手からよく聞いた。力のある古馬重賞ですら馬場が敗因となった。
中京芝は3、4角部分で馬場の傷みがかなり目立つ。約3メートルの下り坂スパイラルカーブでムダのない加速ができるか否かは重要だ。日曜後半で勝った日経新春杯=ロードデルレイ、12R=オトコギアンパンはともに、やや重心の高い歩き。後肢の球節が緩すぎなかったことが共通点。普段から意識しているが、馬場にマッチする馬探しが必要なのだろう。
【中京9R・若駒S】 ここは2歳GⅠホープフルSの④着馬ジュタが◎だ。
緩さが残る中でも体幹の良さを感じる一頭でもある。乗り運動中でも背中のバランスが良く、前後肢が肩、腰のジョイントを基点に前後へよく動く。その肩、腰が膨らんでいい筋肉がついてきた。レースを経験するたびに馬体がグンと良化。セレクトセールの当歳セッションで3億5200万円の高値に納得する。
また、根幹の体力も備えているから素晴らしい。前記の良化度合いもそうだが、2歳GⅠ後も疲れを見せず、そのまま在厩の調整でこのレースを目指せている。1週前にCウッドで6F81秒6、1F11秒5の3頭併せを消化し、5日後の水曜坂路で4F52秒8をマークできたことが、持つポテンシャルの高さだ。前肢の出がもう少し伸びるとより加速度が上がりそうだが、現時点での完成度は違っている。
中山二千メートルのフルゲートで有利とは言えないピンク帽から立ち回っての好走を考えれば、この10頭立てはくみしやすく、春クラシックへ結果を出す一戦とする。
1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。